▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。
それでは、議案第1号「令和5年度鳥取県
一般会計予算」から第21号「令和5年度
鳥取県営病院事業会計予算」まで及び第38号「鳥取県基金条例の一部を改正する条例」から第79号「鳥取県
新型コロナウイルス感染拡大防止のための
クラスター対策等に関する条例の一部を改正する条例」までを一括して議題といたします。
これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
8番
西村弥子議員
◯8番(西村弥子君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。会派民主、西村弥子です。通告に従って、3つの項目について質問をいたします。
まず、更年期、
更年期障害についてお伺いします。昨年9月定例会の代表質問、12月定例会の一般質問に引き続き、更年期について3度目の質問で議論を深めてまいります。
これまでの私の質問に対し、本県では更年期への相談体制の強化、
社会啓発活動の推進にお取組をいただき、感謝を申し上げます。昨年11月と本年1月には
県民向けオンラインセミナー、更年期の
啓発セミナーを開催していただき、好評でした。そして12月の議会では知事より、さらに経済界の
経営者向けにも働きかけ、
トップセミナーを行うとの答弁をいただきました。そこで経営者、企業側の参加状況や反応など、セミナーを実施した結果はどうだったのか。
私のほうにも、様々な
更年期症状に苦しみながら働く女性たちから会社、経営層の理解が欲しいという切実な声が上がっております。また、男性の更年期もあります。知事は次のステップをどのように展開していくお考えなのかを伺います。
また、更年期や
更年期障害について、知事部局では自治体、民間への啓発が始まって、更年期の実態について、県職員への
アンケート実施や
休暇制度導入の研究が始まったところです。
教育委員会では、学校の教職員について、更年期のつらい症状で仕事や生活に支障のある人々の実態をどのように把握しておられるでしょうか。また、サポートや対策をしておられるのか、教育長に伺います。
次に、本県の
ヘルスケア、
ヘルスリテラシーについて伺います。
文部科学省の調査で、2021年度に
公立小中学校、
特別支援学校で精神疾患を理由に休職した教員が全国で過去最多の5,897人に上り、鳥取、島根では両県とも31人と地元紙が報じました。
本県の教育職員の精神疾患の休職者は、コロナ前の2019年度が34名、2020年度が33名、21年度が31名で例年推移。一般病を含む全休職者数は2019年度が49名、2020年度が47名、2021年度が39名。全職員のうち1%未満で推移しています。また、休職未満、90日以内の病気休暇を取得している職員を含めると、その数はもっと多くなります。その要因として、
新型コロナウイルス対策で多忙を極めたこと、教員間での
コミュニケーションを取る機会が減ったこと、また、
ICT教育の導入が重なって、新たな業務の負荷などが影響したと考えられます。
まず、長時間労働の是正、業務の効率化や負荷の軽減が大前提であります。その上で、現場の教職員に対する相談体制など
メンタルヘルスを含む
ヘルスケアや健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する
ヘルスリテラシーの向上も、児童生徒への影響を考えるととても重要です。いかがでしょうか、教育長の所見を求めます。
決算審査における
病気休職者及び
精神疾患事由による休職者数等についての資料によると、2021年度の
長期療養者並びに休職者が93名で全職員の3.2%、また精神疾患は71名、実に2.4%に上り、平成18年度以降、過去最高の数字・割合であります。病気休暇を30日以上取得した
長期療養者を除くと、2019年度は29名、2020年度は29名、21年度43名で、休職者の割合は教職員より多くなっています。県職員の
新型コロナウイルス対策での業務負担、これが大幅に増えたことによるものと推察しますが、その要因等について、知事の所見を伺います。
また、
職員支援課では、相談窓口や
メンタルヘルスの対策など、
ヘルスケアの取組がなされていると思いますが、コロナ禍で適切に運用されていたのでしょうか、また今年度は改善傾向にあるのでしょうか。職員の
ヘルスケア、また
ヘルスリテラシーの向上について、どのように取り組まれるのか。知事の所見を伺います。
最後に、人口問題と人生設計、
移住定住支援等について伺います。人口問題について、女性の視点、そして
Uターン経験者の立場から伺います。
鳥取県の人口は、平成8年以降減り続け、本年2月では54万1,775人です。
2020年の
月別人口動態では、前年度比、実に5,188人マイナスでした。そして2040年の本県人口は、47万人程度になると言われています。失われた30年、右肩下がりで人が減っていく日本社会の中で、国会では、少子化を静かなる有事として異次元の
少子化対策を提唱しています。
その中で、本県は、
子育て支援とコロナ禍の追い風もあり、移住に成果を出し始めました。昨年度の移住者数は過去最高の2,368人を記録し、2022年の出生数が3,729人、前年確定数より7年ぶりにプラス21人。これは明るい話題です。自然回帰とデジタル化のパラダイムシフト、構造転換期の今こそ、もっと
移住定住支援を推し進めていく必要がある。私も知事の考えと意を同じくしています。
人口減少に歯止めをかける鍵を握るのは30代女性の増加と言われています。本県の
社会増減数を
人口移動調査結果で見てみると、コロナ前の2019年、マイナス30人だった30代女性が、2021年はプラス79人、2020年はプラス98人で、転入超過が増えています。30代女性がコロナ後プラスに転じたことが全体の移住者数、そして出生数を増やした一大要因と言えるかもしれません。
一方で、残念ながら20代の若者は、コロナ前よりむしろ転出超過が増大しています。2021年がマイナス1,427人で、近年最多となりました。これは2019年の1.5倍で、さらに女性が男性を上回る転出超過となっています。特に2022年の首都圏と本県の
人口移動状況を見ると、全世代の
社会増減数はマイナス604人、転出超過が大きく、コロナ前に戻りつつあります。さらに、20代若年層の
転出超過幅は、やはり女性が多くなっているのが気になります。
では、過去、女性がどのぐらい鳥取県から県外転出超過していたのか。
ニッセイ基礎研究所人口動態ニシアリサーチャーの天野馨南子氏が調べた「コロナ禍前2010年~2019年10年間計
転出超過数エリアランキング」で、女性のほうが男性よりも多く減った38エリア中、本県は35位。10年間で女性が7,544人マイナス、男性が6,527人マイナスで、女性が1,000人以上多く男性よりも転出していて、1.16倍。ちなみに
過疎先進県の島根県は32位で、さらに女性の純減幅が1.67倍と大きいです。
私は、長きにわたる
少子高齢化の結果、人口減少は避けられないと考えています。その上でそれに応じた社会を形成する必要がある。持続可能で豊かに暮らせるシステムを構築することはできる。その準備をしておく必要があると考えます。
そんな中で、地方では何ができるのでしょうか。不妊治療、婚活もさることながら、人口減少について、私はやはり、最も
転出超過幅の大きい20代の男女、未婚世代がもっと住みたい、働きたい、帰りたい鳥取県になること、20代の
社会増減数をプラスに転じさせることを大胆に実行していくことが必要だと考えます。
その中でも、特に20代前半の女性、就活期の女性、独身女性に選ばれる鳥取県を目指すことを本気で考えてみようとあえて言いたいのです。出ていく人を止めることはできませんが、その分入ってくる人を増やしたい。本県ならまだ取り返しがつくと思います。
20代前半でUターンして民間で働く若い女性に伺いました。こうおっしゃっていました。「進学などで県外に出てしまう理由は、県内に大学や学べる分野が少ないからだ。でも一度都会や県外に出ることはよいと思う。鳥取県のよさが分かるから。就職は、公務員が一番安定して、給与もよくて、人気がある。問題は、地元の企業のことをそもそも知らない。地元企業は、大きい会社だけを知っているのが現状で、例えば銀行、テレビ局など想像がしやすい会社だけに限られる。もっと、本当に地元に根づいて活動している企業を知ったら、もっともっと変わると思う。」
9月の代表質問で、若者の移住支援について私が質問した際に、知事は、「アプリの改善、インターンシップの改善など、一連のものを新年度の新しい事業として考える。」と答弁をいただきました。また、ふるさと来LOVEとっとりや
移住定住推進に関する様々な事業が多数、本議会の議案に盛り込まれております。
そこで、最も
転出超過幅の大きい若者、未婚層が本県に住みたくなる、働きたくなる、帰りたくなる施策がもっと必要であり、そうした層にキャッチしてもらえる魅力ある鳥取県を打ち出していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
そして、20代の若者、特に女性が
就職先、仕事先として鳥取県を選ぶこと、鳥取県に住むことで魅力ある人生設計を立てられることが肝要で、特に首都圏や関西エリアで転出した若者に寄り添い、効果的な施策を取る必要があると考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺い、壇上の質問といたします。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)西村県議の一般質問にお答えを申し上げます。
まず、
更年期障害につきましてお尋ねがございました。これにつきまして
企業経営者向けのセミナーなどはどういう参加状況だったのか、これからまたどういうふうに展開をすべきなのかと、こういうお話をいただいたところであります。
この
更年期障害につきましては、西村県議からこの議場でも御提起をいただき、また男性の
更年期障害等もあるというようなことを我々は議論したところでありまして、これは国全体を通じて今注目が高まってきているように思います。
これは
女性ホルモンのエストロゲンがある一定の年齢で急減してくると。これによりまして、それを言わば補おうという体の作用ということもあるのだと思いますが、神経の調整がなかなか難しくなったりして、それで
ホットフラッシュ、ほてり等のものなど不定愁訴と言われるようないろいろな症状が出てくるというものであります。これ自体は非常に深刻なものでありますが、なかなか顕在化していないというか、人々の間であまり語られていなかったのではないかなというふうに思います。
また、男性につきましてもテストステロンが急減をするということがございまして、やはり特に抑鬱症状などにもつながりやすいのではないかということも近年言われるようになってきております。
人間も生まれてから最後に寿命を閉じるまで、一つの変遷を経ていく生き物であります。そこに雌雄両性があって、それについてのそれぞれの成長、発達の過程、たどるべき道筋というのがあって、それに応じた社会のケアや、あるいは少なくともまず最初は理解から始めていかなければならないのだと思います。
そういう意味でそうした視点を提供していただいたわけであり、今その
更年期障害につきましても一定の、例えば研修事業などをさせていただいています。議員にも11月などそうした我々がよりん彩のほうでやっているセミナーにつきましても御参画をいただき、感謝を申し上げたいと思いますが、以前に申し上げた
経営者向けというのでは11月と12月にそれぞれ女性の健康について学ぶこういうセミナーとか、またフェムテックを職場の中でも生かしながら働きやすい職場をつくっていくことにつきまして、
トップセミナー、
経営層向けの研修会も、これは時節柄ちょっと
オンラインという形になりましたが、そうした形を交えながら研修会も早速実施をさせていただいたところであります。
それを受けられた受講生の経営幹部の方々のお話では、なかなかやはり知らなかったと、まずは理解することから始めなければいけないなというような感想が聞かれたり、さらに女性をやはり今の人手不足の中でも職場の中で生かしていかなければいけないわけでありまして、そういう意味でこうしたいろいろな
環境づくりというのは重要だというような御意見も出てきたところであります。
まずはこういうような理解を進めるところから始めて、さらにその職場の環境整備など、あるいは特にやはり専門的な治療なども必要であるケースもございますので、そうした
医療提供体制といいますか、相談といいますか、そういう体制などもやはり充実していく必要があるのだというふうに思います。
ミシェル・オバマさんというファーストレディーだった
オバマ大統領夫人がいますが、この方も最近
更年期障害について語っておられるわけであります。
大統領専用のマリーンワンというヘリコプターがあります。よくテレビでも映像が流れてきますが、あの専用機に乗ったときもやはり
ホットフラッシュがあったということでありまして、ドレスアップをしてイベントに行くたびに乗ったけれども、とてもそういう状況ではなくなってしまったということを語っておられるわけですね。やはり、どこまでお話ししてもいいのかよく分からないですけれども、本人が言っているので、ミシェル・オバマさんは実は不妊治療もしていたそうです。そういうようなこともあって、やはりいろいろとホルモンに影響したのかもしれません。30代の頃からやはり寝汗をかくとか、そういう症状があったというふうにもおっしゃっていますし、体の腹のほうをえぐられるようなとても厳しい状況もあるというようなこともおっしゃっておられます。
それで夫の
オバマ大統領についても言及されるわけでありますけれども、
バラク・オバマはそういうのに慣れていると。というのは要は組閣をして、ホワイトハウスでいろんな幹部がいるわけでありますが、皆さん年齢的には更年期の女性たちというのは当然入っているわけですね。そういう人たちがやはり汗がぽたぽた垂れるというようなこともある。どうしたのと言うと、いや、こういうことはあるものですというふうに答えられる。それでは、エアコンをつけようかと、そうやって職場のほうでも
バラク・オバマなりに配慮をしていたと、こういうようなエピソードも語られているわけであります。
こういうことはありそうでまだあまりない、そういう
職場づくりや
生活環境づくりではないかと思うのですね。やはり体の症状である以上は医学的ケアが必要な場合もあって、特に
ホルモン療法であるとか、場合によっては漢方を使って体調を整えるということもあれば、また向精神薬が必要な場合ということもあるわけでございまして、そういう適切な治療を受けていくことで当然対処できる類いのもの、つまり人間としては健康体であるので、それをどうコントロールするかということなのだろうと思うのですね。
ただ、厄介なのは、同じような症状でもっと深刻な病気というのが、実はお医者さんは疑うべきなのだそうです。したがいまして、ほかの深刻な病気ではないということを除外診断した上で
更年期障害の治療に入っていくないし診断に入っていくというのが定石なんだそうです。
ですから、そうしたことなどを踏まえた上で、議員も御指摘をいただきましたけれども、これからはそうした専門的な知識に基づきながら、言わば対策をしっかりと本県としても構築をして、できれば、国は今ゆっくりと動いていますけれども、ゆっくりとしたスピードでやる必要も必ずしもないので、これは必要だということは先導的にでもやっていくべきなのではないかなというふうに思います。
これについてはまた新しいメンバーの中で議論すべきものだというふうに思いますが、私自身はこうした
更年期障害は今急浮上したトピックスとして、やはり本県も一つの重要課題と捉えるべきだと思っております。
次に、職場の
ヘルスケアにつきましてお尋ねがございました。教育のほうのお話もあり、我々県庁のほうの職員につきましても同様の課題があるのではないかと、こういうことでございます。
これにつきましては休職者が昨年度は42人いましたが、今年度はちょっとこれよりは減ってきています。その背景には、
ヘルスケア対策を若干強化したこともあるのかもしれません。
大体本県の場合、一つのちょっと長いことがございまして、やはりこの
ヘルスケアの問題、精神的に非常に負担になっている職員がいるのではないかということは議場でもかなり前から取り上げてきていまして、そういうこともあり、平成20年頃から大分いろいろと増やしてきているのです。したがいまして、休職者は減少傾向である程度来ていたところです。
これが今ちょっと、特に令和3年はぽんと上がった感じもありまして、それが令和4年は、もう一回落ち着けにかかっているのというのが今年度の状況というふうに大方理解をしていただければと思います。
今までも例えば制度的な支援をしようと、我々も福利厚生の部局がありまして、そういうところに看護師さんの資格を持った人もいるわけですね。そういう方々に現実にそういう課題を抱えた職場のほうにアドバイスをしていただいたり、県職員でありますけれども、
精神保健センターに原田先生がいまして、こちらを中心にしていわゆる
マニュアル化をしたり、
職場リハビリということを始めたり、職場の中でどうやってだんだんと復帰していくかという
プログラムづくりなどもやってきた関係で一定程度、平成18~19年頃をピークにしまして、私が就任した後、実は減ってきているという現状にあります。それまでは増えてきていました。ですからやった効果はやはりあったのだと思うのですね。
今、では、何で増えているのかということで、コロナで非常に負担がかかったのではないかというお話なわけでありますが、現実には一つ一つのケースがあります。それを見ている感じでは、いろんなものがやはり組み合わさっているのですね。単純に勤務時間が増えたということではなくて、例えば若い職員が新入職員で入ってきます。入ってくると、大体リクルーターとかが周りにいるのですよね。それでこの人を指導しますという係がいて、だんだんと職場に適応していったり、それから実は入るとみんなで集合して一斉研修をしまして、それで仲間ができるわけですね。各職場に散っていますけれども、いわゆる同期というやつができるわけです。ところが、残念ながら今コロナの関係がありまして、そういう集合がしにくくなっていて、実は同期の
コミュニケーションみたいなことがやりにくくなっている。それから職場も分散勤務を職場の衛生管理上導入したりして、これによってやはりなかなか先輩の話が聞けないとかということになると。
そういう中で、例えばあるケースでは、自分がうまく仕事ができないと。実は昔を思い出していただけば、大学でそこそこ使い物になるかどうか分からないわけですよ。皆さん苦労しながら試行錯誤して、人よりもやはり時間がかかったり、失敗もしたりということを繰り返しながら人間というのは成長していって、それで非常に有為な人材に成長していく、その初期段階なわけでありますけれども、ただ、それが本人は分かりませんから、理想に燃えてやっているのとのギャップが大き過ぎて、やはり思い悩んでしまうというようなケースがあると。こういうようなタイプの話が実は多いのです。それで例えばコロナで今までやっていた仕事がなくなってしまう。それで別の仕事のほうに、例えばコロナの応援とかに回る。そうすると環境不適応を起こすということはやはりあるわけですね。
そういうようなことの影響というのはやはりあるのではないかと思われて、それで今年度先ほど申し上げました我々の組織のほうに応援の看護師を増やしまして、きめ細かい対策をやったり、それから、これは鳥大の先生なのですけれども、産業医の方にも介入を増やしていただいたりして、今少し若干落ち着けようとしていると。恐らくこういうようなことで起こっていますので、コロナのことが一通り変わってくれば、またいろんな意味で職場の環境が変化してストレスがかかるというものが解消されてくるのかもしれませんが、いずれにいたしましてもこうした
メンタルヘルスは非常に重要でありまして、まずは職場の
環境づくりをしたり、早期発見をしたり、実際そういう症状が現れてきた場合には、組織内にも専門家がいますので、それとつないで適切に対応してフォローアップをしていくと、これが重要でありまして、丁寧にこういうことをやっていければと思っております。
最後に、人口問題や移住定住につきましてお話がございました。特に若い女性等の活躍をできるようにして呼び込んだらどうか、また20代など若い層に向けてのアピールを強めるべきではないかということであります。
今の状況につきましては、西村県議のほうからいろいろと御指摘をいただいた統計のとおりなのですが、本県は今特徴的なのは、やはりコロナの影響が終わってきて、少し東京が元気を取り戻して、やはり磁石が強くなっている面はあるのですが、ただ、それでも残るべくして残っているのかなというような傾向もあると。それは本県は、今足元でも0歳~4歳児、それから30代、こうしたところの移住につきましては、まだ転入超過の年齢層が残っています。これは要は子供プラスその親という層なのですね。だからここをやはり引きつける魅力というのは一定程度あるのかもしれないということです。特にそうした家族の移住等がある場合、女性の思いというのはやはり強いものがありますので、そこにやはり子育て政策だとか、それからコロナだったので、健康に対する関心、こういうところが鳥取県というのもいいではないかと、特に
リモートワークもあるしというお話が少し出た傾向になっているかなと。これはやはり増やしていくというのがあると思いますし、20代を中心として女性をもっと引きつけるものがないと特にこれからまだ人口減少ということを反転させてはいけないのではないかと。
おっしゃるように、自然減はどうしようもないです。今、団塊の世代が高齢世代に入っていますので、亡くなる方の数のほうが生まれる命よりは多い傾向がありますので、自然減はしばらく全国的にも続くし、本県は高齢化が進んでいますので、その傾向は強まると思います。
そうするとあとは移住定住や、あるいは副業、兼業などで関わっていただいて、半分こちらに住んでもらうというようなことができないかということ。そういう中で若い女性というお話があったわけであります。
先般、NHKの番組で遠藤みさとさんという方が全国放送で取り上げられていました。これは伯耆の溝口の上代の
どぶろく造り、
どぶろく特区をやって、前の住田町長などが実は元気にやっていたのですけれども、さすがに後継者という問題になって、遠藤さんはまだ20代でございますけれども、まさにおっしゃるような20代前半でこちらのほうにUターンしてきたというタイプの方でいらっしゃいます。その番組でも扱われていましたが、非常に生き生きと仕事もしておられて、そういう自身の感性を生かしたプロモーションをしている。それによって会社のほうでは非常に販売が好調だと。問題は、造るものがついてこないという問題になっているというお話でございましたし、そこにまた若手の男性が杜氏として修行を始めたというお話もあります。こういうようなことが今全国で伝えられましたけれども、こんなことがやはり起きてもいますし、こういういい例を増やしていくべきなのだと思うのですね。
最近話題なのは、猟をやっていて、半分は御自宅でのシステムワークをしておられるような山本さんという方が東部にいらっしゃるのですが、最近本を出されたりして、よく取り上げられるようになってきた方です。この方もやはりそうした若手のホープのような方なのではないかと思うのですね。
女性の活躍の場というのは鳥取県は十分あり得ると思うのですが、そういう意味では最近、柳心学園、米子自動車学校の柳谷さんが-女性活躍のリーダーのような方でいらっしゃいますが-年末にお見えになりまして、ちょっと驚いたことに、もう自分は引退して譲るのだというふうにおっしゃって、大野さんという方を連れてこられました。この女性は、東京か、神奈川か、あの辺がやはり拠点で、それで学園の理事長を引き受けたと。だから半分以上はこちらに住んだりするのだと思うのですね。お子さんがいらっしゃるというのです。だから結構大変なのかもしれないのですが、ただ、そういうふうに言わばデュアルハビテーションみたいな形で、こちらでも女性が活躍される、しかもトップマネジメントですからね、理事長として、そういう実例が出てきているということです。
だからだんだんと世の中が今いい具合に変わりかけているのではないかなというふうに期待をしておりますが、こういうのをもっともっとやりやすい
環境づくりというのを当事者の皆さんにもいろいろお話を伺ったり、アピールを手伝っていただいたりしてやっていくというのは非常に重要かなというふうに思います。
20代の若い方々の層にマッチしたようなやり方、例えばアプリとかを、「とりふる」がありますので、ああいうところでそのPRを強めたり、最近は就業ができやすいようにマッチングのシステム改革をしたり、またQ&Aといいますか、相談機能を持たせたり、そういうようなことをやって、あるいはふるさとの情報をそこから出したり、多角化を今図ろうとしていたりします。また、インターンシップなども進めていくなどして、そうした若い層にマッチしたことを考えていくのかなということです。
恐らく今まではとにかく就職説明会をやって、来てください、募集という、まさに絶対移住しなければいけないというタイプばかりだと思うのですけれども、このコロナで経験する中で一つヒントになったのは、全日空さんのキャビンアテンダントやグランドの方のこちらでの生活開始であります。10名のキャビンアテンダントとグランドの経営幹部の方がこちらに結局移住をしてこられて、それでこちらから通勤をされたり、こちらで仕事をされたりというふうにチャレンジをしていただきました。
今コロナが終わって、これが元へ戻ろうとしているのですが、全日空さんが会社のやり方を変えようということになりまして、こちらにも残りながら通勤するという、4日働いて8日休むというような4勤8休の体系というものを新年度からやるというふうにされました。その結果、キャビンアテンダントさんの4人は鳥取に残られることになりました。その方々が例えばブログでいろいろと書いたり、中海テレビさんもいたかなと思いますが、あちこちでケーブルテレビや日本海テレビなどにいろいろと入っておられるのですね。そういう発信をされているのですが、非常にやはり鳥取は面白いということなのです。若い女性にとりまして鳥取県の魅力というのは、住んで面白い。あとは仕事があればいいので、それは全日空さんだったら飛行機で通勤して、東京から世界へ飛ぶという仕事に入るわけでありますが、私どものほうでもそうしたいろんなタイプの、単に定住することだけではない、そういう女性の働く場所というのは若い世代にも提供できるのではないかなというふうに思います。
そういうふうに少し自由度を高めて、いろいろと移住定住対策あるいは関係人口づくりを考えていけばよいのではないかと思います。
◯議長(内田博長君)足羽教育長
◯
教育委員会教育長(足羽英樹君)西村議員の一般質問にお答えを申し上げます。
2点御質問をいただきました。まず、1点目は、教職員の
更年期障害の実態把握及びサポート体制についてどのようになっているのかというお尋ねでございました。
この
更年期障害につきましては、昨年の9月議会で代表質問の際に西村議員のほうからも御紹介をいただきました。
更年期障害に伴う離職による損失が日本の中で6,300億円にも及ぶ、そんな研究成果が出ているというふうなことも御紹介いただいたところであり、先ほど知事も申されたとおり、これはその個人だけの問題ではなくて、そうした方々が休職される、あるいは離職されることは社会的な損失につながる大きな課題、問題であるだろうというふうに認識をし、学校はもとより社会全体で取り組むべき課題だろうというふうに思っているところでございます。
ちょうどその発症が、仕事はもちろんですが、子育てですとか介護のことが入ってくる40代を過ぎてから男女ともに体調の不良だったり、精神的なバランスの崩れだったりと症状が出てくるということ、そういう意味でも社会がしっかり機能していくためにはこうした
更年期障害に対するしっかり理解をしながら、そしてまた必要な支援をしっかりつくり上げていくことが必要だろうというふうに思っているところであり、そうすることが男性、女性の区別なく社会の一員として、しっかり支え合った社会づくりにつながる、そういう考えの下に進めていくべきことが必要だろうと思います。
教育委員会、また学校現場のほうで、実は今のところはそうしたアンケートなどによる実態把握は行ってはおりませんが、知事部局のほうでもアンケートによる把握を進められるということで、まずは県立学校について知事部局の例を参考にさせていただきながら実態把握については検討を進めてまいりたいと思います。
また、
更年期障害については、なかなか症状が見えにくい、御本人も気づきにくい、周りも気づきにくいというふうなことがあることから、まず症状についての正しい理解をしっかり進めていくことが必要だろうなというふうに思っているところでございます。
事務局内には小中学校の先生方も県立高校の先生方も自由に相談できる教職員の健康相談窓口を設置しております。令和3年度は600件を超えるような相談もあり、その中には女性のホルモンバランスに関するような相談もあったというふうに把握をしているところでございます。
このほかにも共済組合が年3回福利とっとりという健康相談に関する、あるいは健康診断に関するような情報紙を発刊しておりますが、その中にもこの
更年期障害のことを紹介するようなコーナーを設けたり、また別途チラシを作りながら、そうした症状について、まずは正しい知識、理解を進めていく、そういうふうな取組で啓発を図ることでこのサポート体制の一助にしていきたいというふうに思っているところでございます。
2点目は、今のことにも関連しますが、教職員の
ヘルスケアについて、長時間労働の是正を前提としながら、相談体制などの
メンタルヘルスケアはどうなのか、また
ヘルスリテラシーの対応についてはどうかというお尋ねをいただきました。
休職者の数も御紹介いただきましたが、大体30人前後で推移をしているところであり、この要因も御紹介のあったように業務量のことももちろんありましょうし、また子供たちへの指導、ICT、外国語教育、道徳教育、様々に学校現場に寄せられる課題、期待が大きい中でのそうした対応でありますとか、特に最近多いのは保護者への対応に苦慮してというふうなことが要因となっているというふうに把握をしているところでございます。
そうしたことへの
メンタルヘルスケアについては、先ほど紹介しましたが、相談窓口はもちろんながらも年1回県全体でストレスチェックも実施をしており、体の変化、また症状の顕在化を早く察知して、早く対処するということが必要だろうというふうに思っているところでございます。
もちろんそれは個人本人だけの御責任ではなくて、学校全体や組織としてそのことを察知するということも必要であることから、長時間勤務となった方への産業医への面談でありますとか、また管理職がそうしたことにしっかり関心を持つこと、そして適切な声かけや組織的な対応を取るというふうな学校組織としてやっていくことが必要だろうと思っております。
そういう意味では相談窓口等ももちろんですが、対症療法ではなく、そうした方を生み出さない予防的な対応策というのがやはり必要だろうなというふうに思っているところでございます。
そこにつながりますのが議員から御指摘のあった
ヘルスリテラシーという、まずは正しい知識や理解を本人がしっかり持っていただくことで、こういう変調を来したときにすぐに相談をしていくことや、あるいはすぐに学校管理職、組織として対応できるような体制を取るといった教職員御自身の体の変調をまずは御自身が守りつつ、そしてそれを組織でしっかりサポートしていくというふうな体制づくりが必要だろうなというふうに思っているところでございます。そうした正しい知識、理解を届けるためにまだまだできることはある。先ほど紹介したようなチラシ等も含めながら、その周知をしっかり図って、先生方が心も体も健康で、御活躍いただくことがひいては子供たちの爽やかな、そして晴れやかな笑顔での活動につながっていく、子供たちのためにも先生御自身の健康を大切に守っていく、そういう仕組みを今後も大切に進めてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)8番西村議員
◯8番(西村弥子君)それぞれに御答弁をいただきました。
まず、
更年期障害についてです。
知事のほうからオバマ夫人の例を出していただいて、いろんな苦しい症状や職場の改善ですね、こういった更年期が実は今までたくさんあったのだけれども、目を向けられていなかったということで、ありそうでなかった
職場づくりをしていく必要があると。
除外診断というお話もあったのですけれども、まさに私もそれを経験しました。やはりおかしいなと思って、いろんなところを、要は年1回皆さんがやっている健康診断ですよね、それで全部潰して、ホルモンを測ったら、がつんと少ないので、ああ、更年期だねということが分かるということなのですよね。
症状もいろんなのがあります。本当に200ぐらいあるとこの間のセミナーで言っていましたけれども、痛みも強いですし、汗はだらだら出ますし、汗は出るけれども、冷えたらいけないので懐炉もするし、大変な時期を過ごしているのがこの更年期の特に女性であります。
そうしたことを踏まえて、ぜひ県としてもこれから新たな期に向かって重要課題として取り組んでいただきたいと思います。
追及の質問をさせていただきます。県職員の更年期休暇制度について、9月にアンケートを実施していただいて、1,300人に実態調査をしていただいたところ、更年期休暇制度の希望が4割あったということでした。知事も12月定例会で次の任期に向けてそうした体制づくりをさらに強化するという答弁がありました。
東村山市の例を挙げていただき、自治法、そうした公務員法に必ずしも抵触しないのではないか。また、自治体のほうで議会と賛同を得ながらやるということはあり得なくはないだろうとおっしゃっておりました。この法の解釈ですとか今後の可能性や方向性について、もう少しかみ砕いてお話しいただけるとありがたいです。県民の方も県職員の方も関心が高いと思います。そしてさらに踏み込んだ調査研究などがあればその状況。そして民間の労働環境改善の意識の機運の醸成というのももっともっと必要だと考えています。そうしたことであるとか、また政府の動き、働きかけの状況など、知事、そして全国知事会長としてのお考え、経過などをお伺いさせていただきたいと思います。教育長にも更年期について追及質問をさせていただきます。これは結局女性だけの問題でもないですし、男性も含めてぜひ県立学校の実態把握を進めていただきたいと思います。正しい理解もどんどん推進していただきたい。
そして教育についてなのですけれども、更年期を含めた教育についてもお伺いしたいと思います。生理や月経、更年期、閉経は人が生きるということ、成長していくことにほかならないと教育長が私の代表質問の答弁でおっしゃっておられました。
男性、女性が、お互いの存在を認めながら共にこの社会をつくっていく過程の中で、そこに連続性だったり、発達段階に応じた確かな学びにつながるような仕組みづくり、仕掛けが必要と改めて認識したということ、こうした子供のときからの適切な包括的性教育の重要性について、今後も浸透が図られるように進めてまいりたいという御答弁でした。
こうした教育というのは、子供たちにとってどういった影響をもたらすのか、こうしたことをぜひ具体的にどのように進めていかれるのかを追及でお伺いさせていただきたいと思います。お願いいたします。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)西村県議から重ねて
更年期障害につきましての対策のお話がございました。
前回だったと思いますが、議場で議論して、休暇制度についてのやり取りをさせていただきました。いろいろと微妙な法的判断の問題はあるのですが、私は可能ではないかと思いますと申し上げたと思います。
具体的にはどういうことかというと、地方公務員法の24条という規定がありまして、これが給料とか勤務条件について定めているものであります。給料については、よく均衡の原則というふうに言いますが、国だとか、他の自治体、それから民間との均衡に配慮するということがございます。同じように、休暇につきましても、その4項に権衡、権衡というのはバランスを取るというような権衡です。国や他の自治体などとの権衡に配慮しながら決めなければいけないという原則があり、そして最終的には、5項ですけれども、条例その他に基づいてやっていくというものであります。
これを先ほど他自治体で導入したのですが、結局いろいろ議論があって、今なかなか進んでいないというお話を前回されたと思います。そこはでも考え方ではないかなというふうに思うのですね。そういう意味でいろいろとどういうような状況かというのをよく見た上で、適切な勤務環境をつくることは条例に基づいて休暇を定めることもできますし、例えば夏季休暇とかのように職務専念義務免除というようなやり方や、あるいは特別休暇というようなやり方などいろいろと方法は取れるのではないかと思いますが、その辺はちょっともう少し検討させてくださいというふうに申し上げたところであります。要はそういうことをやって職場環境を整える必要があるかどうかとのバランス、それから他の自治体と比べて著しくというようなことにならないようにということなのだと思います。その辺の判断は、また今後、新しいメンバーにも御相談をさせていただきながらやって、みんなで議論をすべき分野というふうに思っております。
全国知事会だとか民間の状況でありますが、例えば大和ハウスグループのコスモスモアさんというところではL休暇というのをつくられて、これが年間12日間は有給で、そこから超えますと無給の休暇ということでありますが、ここに
更年期障害あるいは不妊治療等も入って、男女問わず使える休暇を導入したという例が最近も出てきました。徐々にではありますけれども、まだ始まったばかりですが、こうした形で民間企業の中でも動き始めています。
国はどうかというと、今3年かけてまずは調査をしようということをおっしゃっておられます。恐らくその後考えるということになりますので、もう2年、3年後ぐらいに検討ということなのかもしれませんが、本県では県庁の中の職員に対しまして調査をアンケートでいたしました。大体調査の半分ぐらいの回答が来ました。それで39%の職員が
更年期障害のような症状を経験した。それで何らかの支障があったというふうに回答しています。結構多いなという感じがいたします。それでどういうような支障があったかということでは、36%が家事、家の中においてそうした影響があったと。それに次いでというところに今度友人関係や交友関係。仕事に支障があったというのは9%でありますので、仕事のほうは多少そういうのをごまかしながらできるという面が公務員の場合はあるのかもしれませんが、ただ、やはりそういう問題事象というのはあるということだという把握はできました。したがいまして、こういうものに基づいて我々としては、独自にでも考えるべきものがあるかなと今判断をしています。
全国知事会でも、令和4年の7月の知事会で、吉村さんという山形県の女性の知事がいらっしゃいますが、この方がトップになって男女共同参画のプロジェクトチームをずっとやっていただいています。このたびはみんなで報告を共有し合ったのは、そういう
更年期障害等も含めた健康に対する理解というものを促進すべきではないかというアピールでございまして、これは8月8日だったと思いますが、政府のほうにも全国知事会の意見として提出をさせていただきました。
まだそんなに大きなことが動いているわけではないのかもしれませんし、国はまだ何年かかけて
更年期障害についての認識を持った上で政策について議論していこうかというタイミングではないかと思いますが、本県は少しそれを先取りしながら今身近なところでの調査や検討を始めているというふうに御理解をいただければと思います。
◯議長(内田博長君)足羽教育長
◯
教育委員会教育長(足羽英樹君)西村議員から重ねてお尋ねをいただきました。包括的性教育に係る具体的な取組ですとか、子供たちへの影響はどうだろうかというふうなお尋ねをいただきました。
議員からお話のありました包括的性教育については、9月の代表質問の際にもお答えを申し上げたとおりでございますが、生殖器官ですとか妊娠、出産といったいわゆる保健体育の中で授業として学ぶような内容だけではなくて、ジェンダー平等ですとか性の多様性といったようなことについても授業、そして総合的な学習の時間、あるいは特別活動等を通して教育活動全体で様々な機会を設けているところでございます。
授業を含め、そして特別活動等を通しては、私も常々申しますが、机上の教科書での学びだけではなくて、体験的な学びという視点を各学校大事にしていただいているところでございます。例えば産婦人科医を招聘したり、助産師の方、LGBTの経験者の方、そういった専門家あるいは知見をお持ちの方を直接お招きして、それぞれの立場で自分の悩みであったり、苦しみであったり、あるいは生の喜び、誕生の喜びであるとか、それらをいかに子供たちに伝えていく、そしてまた子供たちが体験的にそれを学ぶ、そうした現場の声を大切にする取組を重視しているところでございます。
議員から更年期も含めたこうした包括的性教育の視点でということでお話をいただきました。残念ながら学習指導要領等にはこの具体的な記載はないのですけれども、体が加齢に伴って体調的にも体格的にも、だんだんと変化していく、そうしたことについてはやはり学んでいく必要があろうかと思っております。
思い返せば、自分たちが中学生の頃あるいは高校生の頃に50代後半や60、本当に大人というか、こんなときが来ることは全然想像もしませんでした。私も今年60を迎える年になりますが、やはり体の変化は顕著であります。また、気持ちの面でも疲れやすくなったり、それはあろうかと思います。
でも子供たちが実際自分の将来歩む道として何十年後かの自分の姿を思い描けるような、あるいはその過程で、結婚をする、妊娠をする、出産、子育てに入る、介護に入る、そういう様々な体験をしていく上でもそうした年代の方々と幅広く、あるいは深く触れていくこと、接していくことで将来の自分の歩む道、歩む姿というものが子供たちに思い描けること、そうした学びを展開していくことが私は重要だろうというふうに思っております。
そういう意味で先ほど紹介したような専門家等を招いての講演がその現実を子供たちに伝えていくこと、そのことが子供たちにとって実感がある、そしてまた将来の自分の姿が思い描けるようになることをもって相手の立場を尊重したり、あるいは、今自分がそうした方々に何ができるかを考えたりする、そういう子供自身が考える機会をつくる、そんな学びにしていきたい、またさらに深めていきたいというふうに思っているところでございます。
◯議長(内田博長君)8番西村議員
◯8番(西村弥子君)御答弁をいただきました。
更年期について、教育長の答弁で、まず実態調査はぜひぜひやっていただいて、先生のやはり職場環境、
ヘルスケアの質問もしましたけれども、それも含めて、やはり40代後半ぐらいから50代、60代にかけての方というのが休職の方も多い、それから早期退職も多いというふうに聞いています。ですので、やはりその年代が更年期にも差しかかっているということも踏まえて、ぜひしっかりと実態を把握していただきたいということを重ねて、すみません、お願いしておきたいと思います。
そして先ほどの包括的性教育の話、これは性の多様性のことも言っていただきました。これは実はこの3番目に私が質問した人口問題の少子化であったりとか、そういったことにもつながっていくと考えています。子供たちがやはりどういう教育を受けるかによって、その後の自分の人生設計、ライフデザインをどう描くかということにつながっていくと思います。大変重要なことだと考えておりますので、ぜひ新年度に向けても前に進めていっていただきたいと思います。
それでは、さらに追及の質問をさせていただきます。人口問題、人生設計について、私は今日、いろんなことを申し上げたのですけれども、先ほど遠藤みさとさんの例を挙げて知事がお話をしてくださいました。私も遠藤さんのところには伺いまして、上代の請川さんという男性と一緒に若い方が事業承継をして、どぶろくを造っておられる。地域も活性化して、今までそれを造ってこられた年配の方々と一緒に頑張っておられるという姿にすごく勇気づけられましたし、米子から伯耆町のほうまで通って、だから町なかから伯耆町の周りは田んぼしかないところに行っているという、この通っている生活というのもすごく新鮮なのだろうなと感じました。彼女は、大阪からUターンしてこられているということでしたけれども、海外にも出た経験もあったりということで、やはりそういういろんな経験をしていく若者がどんどん鳥取県に帰ってくるというのは、すごくこちらにいる若い人たちにも刺激になると思いますし、何かこれからの新しい鳥取県の一つのいいモデルケースになっていくのではないかなと思っています。
ということも踏まえて、すみません、追及の質問をさせていただきたいと思います。ほかにも20代の方といろいろお話ししました。これは流通業の働く男女の方に聞いたのですけれども、やはり正直鳥取県は賃金が低いと。それで一回就職しても県外に転職してしまう友達も多いのだということも米子の流通業で働く若い女性の方から伺いました。なので、賃上げであったりとか、いろんな今、国でも全体でやっています、とにかく県民所得、賃金を上げていくということは一つ。
雇用の環境をよくする、これも大変重要なことで、若い人が鳥取県で働きたいと思う、もうこれは本当に最低限の要素として、ぜひここをボトムアップしていく必要があると思いますが、もう一つ、私はいろんな方の話を聞いて考えたのが、やはり女性が、特に若い女性が都会に出てしまう。これは何かがやはりあるのですよね。私もそうでした。都会に出ました。東京に。これは賃金とかは考えていません、若い頃は。何でしょうかと。学び、もちろんです。それから都会にあるものは娯楽、情報、学び、文化、カルチャー、これから常田議員もポップカルチャーの質問をされると思いますけれども、いろんな文化がある。芸術、スポーツ、もういろんなものがある。まちもたくさん、いろんなまちがある。人もたくさんいる。人種も様々。こういう多様性がやはり都会にはある。先ほど性の多様性の話もありました。いろんな方がいます。LGBTの方、当たり前におられます。私も前の職場で男性のゲイの方と一緒に働いていて、普通にそういう会話を職場でする。外国人でしたけれども、そういう人もおられます。いろんなものがあるのですよね。だから面白い。だから若い人がそういう刺激であったり、多様なものを求めて都会に出るというのは、もう当たり前であり、それはいいことだと思います。個を認め合う、それから異質な、ちょっと変わっていても当たり前ですから、特に後ろ指は指されることもなく好きなことを追求できて、若い人も気楽に暮らせると。
このことを何で感じたかというと、中山間地対策、今回、委員会で来年度の事業をちらっと見たのですが、あれって正直思いました。本当に状況を分かっているのかなと。支援体制をつくるとか、そういうふうなことではなくて、もう本当に困っている。それに対して市町村とどう向かっていくのかというのをもう一度やる必要があるのではないかなと思っています。
それでお聞きします。市町村の自治を尊重することは本当に大切だと思いますし、必要だと思いますけれども、県民が直面する諸課題を解決するために、県の積極的関与は必要だと考えますが、これは何度も同じような質問をしていると思いますけれども、いかがでしょうか。そのために県は人的、財政的な支援をどうすべきだと考えますか。知事の所見をお伺いします。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねてのお尋ねがございました。人口が減っていく中で、いろんな課題が生まれてきていると、それが集落だとか人々の手には負えなくなり始めていて、市町村あるいは県、その辺の役割のことも含めて見直すべき時期ではないかと、こういう御趣旨だろうと思います。
これについては、例えば明治大学の小田切先生などは、持続的低密度社会という言葉を用いられています。やはり人口がどんどんと減っていく。小田切先生は割と農村対策などをやるものでありますが、そういうところは全国でそうですが、限界集落的なことが多くなってきていて、集落の機能、それは防災をやっていくとか、また、地域全体で人口が減れば、教育だとか、あるいは伝統芸能の継承だとか、果ては農業の生産自体も支障を来すということになり始めているのではないか。こういう問題意識は実は本県以外、中国地方は割と中山間地も多いですし、常に語られるところでもあります。
ではそれをどうしたらいいのかというとき、小田切先生などのお話というのは、要は都会の人は、そういうところはもう切り捨てればいいとみんな簡単に言うわけですよね。例えばある程度一定の都市に移住してもらって、それでそこはダムになって、それでこの国の性格を変えるのだと、こういう議論が出がちなのですよね。インターネットでのあまり責任感のない議論も割とそういう方向でありまして、鉄道を廃線すると言ったら、それを残せと言うと、何という田舎が税金の無駄遣いを言うのだみたいなことで総攻撃が来るわけです。ですが住んでいる我々からしてみれば、これをいかにもたすかというのは別にお金が要るだとかということではない、それ以前の問題として何かしなければいけないと感じているし、みんなそれぞれに何をしたらいいのかまだよく見えない中で、今、もがき苦しんでいると。それについて、単にやめればいいという話だけで済まそうというのはむしろ無責任ではないかと我々は言いたくなるわけですね。そういう意味で、持続的低密度社会という言葉のほうがどうもこちらにはぴんとくるような気がいたします。
こういう課題については、結局、答えはまだ見つかっていないのだと思うのです。世界中を見渡してみても同じような悩みを持ったところがあって、例えば地域交通、ローカル交通の問題でいえば、日本はやりませんけれども、もっと鉄道にお金を突っ込んだりするわけですよね。それは当たり前なのです。ただ、それが結局ああだこうだ言っている間になかなか進まないと。鉄道の問題でいえば、市町村どころか、都道府県どころか、国が何かしなければいけないようなお話であるけれども、そこの組替えがまだできていないのですね。SDGsということを言って、サステーナブルディベロップメントということも言いますけれども、どちらかというとサバイバル・アンド・ディベロップメントという感じだと思うのです。いかに我々が生き残ることができるのか、そして何とかその中で発展を見いだすことができるのか、今、私たちはそういうような課題と向き合わなければいけないわけであります。
私も川部議員と同感でありまして、これについては県も市も正直ないだろうと思いますし、それぞれの役割でできることはそれぞれで果たしていって、それをうまくつなげていくネットワーク化が大切ではないかというふうに思います。ただ、その解はきっと一定しないのですね。ここの地域はこういう工夫をしている、ここの地域はこういう工夫をしているというのをそれぞれにやはり考えてもらって、自分たちのところであれば、こういうふうにするのが言わば最少の経費や最少の人力である程度クリアできます。あるいはみんなで協力すれば、今まで一人一人だったけれども、できるようになるかもしれないということがあるのだろうと思うのですよね。そういう答えをそれぞれに見いだすことが必要であって、そういう意味で、中山間地のチームだとか、そういうお話もこの議場でも語られたのだと思います。
市町村と集落が多分こうした問題は基本的なプレーヤーにはなると思うのですが、ただ、例えば今回のAコープ問題、そういう買物機能の問題などを取ってした場合に、単純に私は基礎的自治体の範囲内で終わるとも思えないところがあります。なぜなら、買物自体は広域的に行いまして、市町村の枠組みの中で日常の買物は終わらないわけですね。ですからやはり地域全体でということであれば、県も応分の役割を果たさなければいけないのではないだろうか。従来の町なかの一つのお店という問題よりも少し広げて、県も対処すべき部分があるのではないかというふうに考えております。
これを恐らくこれからそれぞれのお店ごとに議論をしていく中で、それぞれの答えが多分見つかってくると思うのですね。「うちのお店はもういいわ」というところが中にあるかもしれません。ただ、うちのお店については、別にやってくれという人が出てくるところはあるかもしれない。出てきても、「せめてこういう設備を直すお金ぐらい何とかならないの」とか、いろんな条件が出てきたりするかもしれません。こちらのお店は移動販売で補えるということでやろうということで地域がまとまるかもしれません。そういうのをいろいろとそれぞれの解ごとにやはり柔軟に対策を立てるべきだと思うのですね。それこそ一律に何でも一つの制度で乗り切るというほうに多分無理があって、だからこそまず出発は集落であったり地域、そして市町村が考え、それを今度、県が言わば公契約として保障していく、こういう新しい社会システムが人口減少に対応していく対応力を上げるためには重要になってくるのではないかと考えております。
そんな意味で、今、そういう限界に来て、一気に噴き出したのが交通や買物だと思います。ここを一つの試金石にして、もちろん国とか、あるいはJRみたいな会社も含めてみんなで考えて、それで何らかの解決策を見つけていくということをまずは鳥取からリードして実践していければと考えております。
◯副議長(広谷直樹君)11番川部議員
◯11番(川部洋君)答弁いただきました。珍しくかみ合っているかなと思いながら聞いていましたが、本当おっしゃるとおり、人口最少県、基礎自治体と変わらないぐらいの人口の中で、県だ市町村だという話ではないというふうに思っておりまして、言われたように、本当、集落ごとに、どこにあって、どういう世帯がいてということで状況が違ってくる。そこに対して、ではここの集落はどうしたらいいのかということをきめ細かく考えて対応していく必要があると思います。ただ、そうはいっても、共通しているのはどうやって生活インフラを維持していくのかというふうなこともあるので、多分これは大きな課題と、それから個別の課題をつないでいくというか、大きく解決するところとそれをアジャストしていくというか、カスタマイズしていくような政策になってくるのかなというふうに思っております。
今、買物のことを言われました。例えば倉吉でいうと関金のAコープの閉店の話があります。もう一つ奥に、山守のところにポプラがあるのですけれども、これもなくなってしまうということで、高齢化が進むと、やはり自動車が運転できなくなるとそこまで出るのも大変になってくるというふうな、関金の本当にAコープまで、あそこの店がもったとしても大変だ、山守のポプラもそこからまださらに奥に集落があるという状況の中で、これこそ本当は新しい技術、ドローンで配達するとか、今日も常田議員からありましたけれども、通信環境が整っていれば通販でできたりとか、いろんなことがまた考えられるわけですし、小田切先生だったかどうか忘れましたけれども、「創造的過疎」という言葉が何かあったと思うのですが、それこそそういう地域に住んでいても何ら変わりない、余計便利なのだぐらいのものをつくっていくぐらい発想を転換するということが必要なのではないかなと思います。今あるものを守るのではなくて、さらに便利にして、1周遅れがトップランナーになるような対応をして、そこにさらに住む人を増やすという考えはありではないかなと思いますので、ぜひともその辺りを次期で考えていただけたらなと思います。
それで、たまにはといいますか、具体的なところにちょっと質問を切り替えたいと思います。
これまで人口減少による影響ということで、中山間集落のことを例にしながら、県、市町村を含めて、垣根を取っ払いながら、オール鳥取で取り組んでいきましょうというふうな話をしてきたと思います。
それで、これも私たちこの時期はいろんな話を聞くわけですが、建設業の人材育成と人材確保について、この人口減少というところでいろんな声を聞いておりますので質問したいと思います。
当然、人口が減ってくると財源がない、人材がいないということは、自治体だけではなくて、民間企業もそうなってくるわけです。人材の育成と確保ということについて言うと、やはり今取り組んでおかないと間に合わない、取り返しがつかなくなるのではないかなという危機感を本当に持っています。これは県庁の職員、市町村の役場の職員もそうですし、民間の企業もそういう声が上がってきている中で、その中でも特に建設業の人材確保、技術者の確保は先送りできない急を要する課題だというふうに考えています。
これまで県としても建設人材の確保、技術者の確保に向けて取り組んできたと思いますが、いまだに人材不足が解消できていないのではないか。もう聞き取りでもさんざんやりましたけれども、一生懸命こういうふうにやっているのですと言われましたが、でもできていないというふうなことがあります。県としては、この辺りの成果と課題についてどのように考えているのか。これは知事、県土整備部長、建設業協会の新年の会に出たときに会長が切実に訴えられたのを聞いていたと思いますので、本当にこれは先送りできない、今向かわないといけない課題だとして答えていただけたらと思います。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から重ねてのお尋ねがございました。
前段あったように、やはり「創造的過疎」という言葉がこれからはキーワードになるのかもしれません。例えば倉吉線が廃線になって、あそこの廃線敷を歩くということを倉吉観光マイスが始められていますが、結構あの映像が出回るのですね。日本で一番美しい廃線だと。竹がすっと生えている風情、周りを取り囲んでいる竹やぶ、その緑とマッチして、昔ながらの線路がある。その違和感といいますか、美しさといいますか、そういうことが取り上げられたりするようであります。
こういうように、ふと身の回りに生かし方によってはよいものがたくさんあって、それでバス路線なども再編しましたけれども、例えば高校生も便利になったり、乗る人も増えたということもありました。だからやってみて、いろいろと試してみることだと思うのですね。その中でうまくいくことをもっと横展開したり、お互いに示唆し合って、鳥取県内だけでみんなでスクラム組んでいくことでもできれば、面白い創造的過疎ということがあり得るのではないかというふうに思います。そんなようにこれからいろいろと展開を図っていければなというふうに思います。
建設業の人材の問題は、今、建設会社のほうでよく言われる課題であります。これも実は全国問題でして、今はもう建設業の有効求人倍率は7倍、8倍、9倍、10倍という感じです。本県の足元でも今9倍ぐらいでして、隣の島根は10倍であります。中国地方も、広島など都会は比較的いいのですけれども、それでも平均すれば8倍ぐらいとのことでありまして、なかなか人を確保するのが難しくなっているわけです。
こういう課題というのは全国でも起こっているのですが、それぞれにやはり今、苦労をしていると思います。本県は、学生の皆さんだとかのインターンを始めている最近の状況がありまして、それに先立って、建設産業の方とか、県や市町村、それから大学など関係者が集まって協議会みたいなことをやって、人材の育成や確保、あともう一つは定着ですね。入った後、辞められる子が多くて、その定着に向けていろいろと協力していきましょうということを今進めています。教育関係者なども入っていただいている。この中でいろいろと今進んできていて、そうしたインターンのことであるとか、中には「ツナガルドボク」という運動を鳥取大学の学生さんたちがされています。もともとこれは九州で始まったのですが、向こうはもう今はやめていまして、鳥取はそうしたことを今でも残して、若い学生さんが泊まりがけで6日間、このたびも琴浦町でインターンシップをやるということで、建設技術者になった後の生活の疑似体験をやったりしています。こういうことを地道にやる中で、少しずつ労働環境といいますか、採用状況というのが変わってくるのかなと。
高校生につきましても、
教育委員会と一緒になりまして、いろいろとこうした仕事もあるよということのアピールをしたりして、それなりに建設産業のほうにも向かっていただいておりますが、まだまだ十分ではないかもしれません。
最近はこうした環境の中で、女性の皆さんがそうした活動をして、子供たちの小さい頃から建設という仕事に親しんでもらおうという運動を始めておられます。これは女性のネットワークの方、井中組の社長さんの奥様が会長をされていますけれども、そういう形でやられて、例えば紙芝居を作って、これは「ツナガルドボク」の皆さんも手伝ったりするのですけれども、絵本を作って1,000人以上の子供たちに読み聞かせをしてさしあげる。こういうようなことを今始めてきていて、だんだんとそうした活動も定着しつつあると思います。
あと、大事なのは、非常にきつい、汚い、危険というイメージがないわけではないので、そういう仕事のやり方を変えましょうと、例えば週休2日にできるようにしましょうとか、あとドローンを飛ばして、例えば境港のべた踏み坂の橋、あれは高過ぎてなかなか手入れが難しいですけれども、ドローンで調べるということを実証実験やってみたり、あるいはひび割れだとか、そんなものもAIを使って画像診断と併せてやっていくだとか、そういう最先端の技術を入れて、格好いいし、非常に負担も小さい、働きやすい、そういう職場にするような改善も行ったり、今、いろいろと手を尽くして進めているところであります。なかなか一朝一夕で今の全国的な建設労働者の確保という難しい状況はそうそう変わってこないかもしれませんが、ただ、局地的にこの鳥取県の中で理解してやってみようという若い人たちに加わっていただけるように、いろんな事業を投入してまいりたいと思っておりますし、これを支えてくれるいろいろな関係団体とも連携してやっていきたいと考えております。
◯副議長(広谷直樹君)11番川部議員
◯11番(川部洋君)本当にこの課題について、県土整備部のほうからいろいろ説明を聞いて、なるほどなと、いろんなことをやっているのだなというのはよく分かりました。
全体的にもう人口が減って、労働者人口が減っている中で、各業界が取り合いになってしまう中でどうしていくのかということでいくと、一方では、DXだとか、ロボット化だとか、効率を上げるという方向でしょうけれども、どうしても人でないといけないところをどう確保するのかというのが大きな課題になってくるのかなというふうに思っています。
その意味で、やはり教育機関の問題というのはすごく大事なのだろうなと思います。議場でも産業人材の育成についてはかなり質問があって、どうしていくのだということはこれまでも取り上げられました。建設業についてだけちょっと今回はピックアップしてお聞きしたいのですが、県全体で厳しい状況の中で、特に中部が厳しいのではないかという声を聞きます。それは、もともと倉吉工業高校に土木科があったのが、総合産業高校になった時点でそれが農業高校の農業土木のほうに統合されてしまった、そこが原因ではないかという声を聞きますが、これについて、
教育委員会としてはどういう見解をお持ちでしょうか。お聞きします。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
足羽教育長
◯
教育委員会教育長(足羽英樹君)川部議員の質問にお答え申し上げます。
県中部での建設業人材の不足について、高校改編、学科の関係をどういうふうに認識しているのかというお尋ねでございました。
中部における建設業界の人手不足につきましては、鳥取県の建設業協会ですとか、中部でいえば、先ほど知事のほうからも名前のありました井木組の社長さんからも私自身もお聞きをしているところであり、言われるように、創造的な過疎という動きの中、本当に人材確保、人材育成、そして社会づくりに向けてどのように進めるのかということが非常に大きな課題であるというふうに認識をしております。
御案内ありましたように、平成15年の倉吉工業高校、当時の倉吉産業高校が合併の際に倉吉総合産業に移っていったわけですけれども、環境建設科という学科を倉吉農業高校のほうに移管し、さらに平成23年度の倉吉農業高校の学科改編に伴って、現在の環境科というところでこの建設系を学ぶような形に切り替えていったところでございます。
経緯としてはそうした経緯がありますが、一定数の入学者、そして一定数のそうした中部地区を中心とした建設業界への就職というのも続いているところでございます。この春、令和4年度の卒業生も6人、1人は県庁の土木技師のほうに採用されたりとか、それから、去年は3人、その前がまた6人と、一定数は輩出しておりますが、社長さんがおっしゃるような、あるいは議員さんがおっしゃるような、中部地区全体で見たとき、この持続可能な企業あるいは業種、形態の在り方、そういうところでいえば、それがやはり不足しているのだろうなという認識は十分に持っております。今、倉吉農業高校での学びを経てそうした人材育成を図っているところですが、やはり大きな課題としましては、中学生に農業高校という看板が大き過ぎて、農業という看板に埋もれてしまって、建設関係の学びができるということが十分に周知、理解できていないということが一つ大きな課題だろうというふうに思います。
また、先ほど申した一定数の就職者がありながら、そうした企業さん、あるいは地域から足りていない、それでも足りないというふうな声があることを思えば、やはり建設業という業種のイメージであったり、それから仕事のやりがい、そういったものをより中学生にしっかり発信をして、その生き方の一つとして、選択肢の一つとしてそれがあるということをしっかり周知していくことが必要だろうというふうに思っているところでございます。
学科がなくなってしまったわけでは決してございませんので、今御指摘いただいたような反省も踏まえ、この学科がしっかり見える化され、そしてまた、そこでの学び、さらには将来の生き方が中学生にしっかり伝わるようにしていくこと、まずこれが最優先だろうというふうに考えているところであり、御指摘を受けて、そうした学科の磨き上げということに尽力をしてまいりたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)11番川部議員
◯11番(川部洋君)基本的にきちんと対応できている、別になくなったわけではなくて、農業高校に行ったということは私も理解していますし、そこに対して業界が働きかけて、ぜひ就職をという動きも理解しております。ただ、教育長が言われた看板ですね、農業高校で建設業に行こうというふうなところというのはかなり大きいと思うのですよ。ここはやはりどこか再考の余地はあるのではないか。やり方はいろいろあるかもしれないですけれども、今、農業高校にカリキュラムも施設も行ってしまっていて、総産では受け切れないという話も聞きましたけれども、何かできるのではないかなというふうに思っております。これは本当に真剣に考えるべきではないかな、一つの方法として、これをやれば増えるなどというふうには思っていませんけれども、やはりこの看板の違いというのは生徒の心理として大きいのではないかなと思います。
それで、改めて今回、倍率の状況を見てみました。中部だけのことを言ったら、東部、鳥取工業高校の建設工学科22名の実質定数に9名、倍率が0.41。倉吉農業が環境科32名の募集に対して15名、0.47。この環境科の中に2つコースが分かれるということで、これは全員が土木だとか建設に行くわけではないということも含めてです。米子工業が建設が10名に対して18名ということで1.8。もうそもそも論のところで集まっていないという状況があります。これは言われたように、やはり中学校での職業観というか、キャリアというか、そういう教育の根本的な在り方を考えないといけないのではないかなと思います。自分自身のことを考えると、中学のときに将来何になって、そのためにどこの高校へ行って、どの大学へ行くかなど考えたこともなかったので、そんながちがちにするべきだなどと言う気はないのですが、そうはいっても高校を卒業して地元で働きたいと思っている子もいると思います。そういう子に対してきちんと中学校の今の教育プログラムが対応できているのか、普通科が優先にはなっていないか、そんなところも含めて考える必要があると思いますが、教育長の見解をお聞きします。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
足羽教育長
◯
教育委員会教育長(足羽英樹君)川部議員から重ねて人材育成についての中学校段階での指導を含めてのお話をいただきました。
議員御指摘のとおり、普通科志向がこの近年、そして年々と高まってきている現状が、この工業関係、建設関係だけではなく、あるのは事実でございます。その背景には、なかなか中学校から高校進学時点で自分の人生の方向性をきちっと決めて向かうというふうな子供たちが少ないこと、かつてそれはモラトリアムという言葉で形容されました。自分の人生の決断はもう少し先送りに、猶予期間を設ける中でという、これも一つの生き方、考え方なのかもしれませんが、歴然とこうして議員さんから御指摘があるような、県内各地の建設業をはじめとして、飲食業も観光業も含め、製造業も含め、求める人材というものが明確になってきていること、この辺りを中学校段階から子供たちにしっかり伝えていくことは、ふるさとキャリア教育を推進する上でもこれは必要不可欠であり、話題となっていますふるさとの人口減少ということについての一つの歯止めのきっかけにもなり得る大切な視点ではなかろうかというふうに思います。
そうした企業の様子、または職業観、これをしっかり図るべく、中学校段階でも様々な取組はなされておりますが、やはりもっともっと鳥取の働く場所、あるいは企業観、そういったことを伝えることの必要性というのをお聞きしていて痛感したところでございます。ぜひ市町村
教育委員会とも一緒になりながら、よりそうした発信が子供たちに伝わっていくような仕掛けに取り組んでまいります。
◯副議長(広谷直樹君)11番川部議員
◯11番(川部洋君)しっかり取り組んでいただきたいですし、この問題はすぐに変わる問題ではないかもしれないですけれども、時間がない。やはり民間の時間感覚と行政の時間感覚のずれというのもあるので、その方向性を見つけ、課題が見つかったのなら、やはりすぐにでも取りかかる。取りかかって、では今何ができるのか、来年度どうするのかとか、そんなタイムスケジュールで考えていかないといけないと思っています。答えがすぐあるわけではないのですけれども、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
知事にもお聞きしたいと思います。県土整備部とお話をしていて、やはり教育の問題、育成についてはかなり大きな課題かなと思いました。今、小中学校、それから高校のことも言いましたけれども、今回ちょっといろいろこの話で情報収集する中で、例えば高校まで本当、普通科で行っていたけれども、やはり建設業界に行きたいというときに、育成するようなシステムができないかななどという話があって、例えば短大にこういう資格が取れるコースをつくるとか、
教育委員会だけの問題ではなくて、知事部局としてこの問題に対して、育成について、必要であれば、本当、
教育委員会にこうしてくれとか、そうでなくてもこういう方法があるとかというふうなことが働きかけられないものだろうかとちょっと県土整備部の姿勢に対して、いらいらではないですね、もっと働きかけてもいいのではないのというふうな感じを持ったのですが、知事、本当にこれ、先ほどオール鳥取で、市町村も含めてという言い方をしましたけれども、
教育委員会と知事部局がもっとこの人材育成について連携をして取り組むべきではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて川部議員からお尋ねがございました。
これにつきましては、建設産業に向けての担い手育成・確保連携協議会の中で、教育サイドも含めて議論を進めておりますが、せっかくお話もありましたので、また改めてちょっと論点もこちらなりに整理をしてみたいと思いますし、特に現場サイドの建設関係の皆さんがどういうようなことをお考えなのか、実情はどうなのかというのも私どものほうでも、これは別途、建設産業の育成という知事部局の課題もありますので、調べさせていただいて、それで今のようなお話を考えていけばいいのかなというふうに思います。
先ほど川部議員のほうで看板というお話があって、それは一つ考えどころなのかなというふうにも聞こえたところです。今、これから高校再編ということをされるので、その中でどういう判断を
教育委員会でするかということだと思うのですが、子供たちが見て、あそこへ行ったら例えば建設の技術者になれるのだというのがちょっと分かりにくいかもしれないですよね。今、倉農さんのほうであるのは環境科ですからね。今、環境科の中に2つコースがあってというお話がありましたが、建設の関係というのは、森林・土木設計コースですかね。ですから実は森林が前に来ていて、建設事業者というのは見えにくくて、しかも設計と書いてあると何かよく分からないなという感じなのですね。看板がよく見えないものだから入ってこないということがあるのであれば、看板の問題というのは一つまず取っかかりやすいところなのかもしれないなと思いました。
現実は、今、大分、
教育委員会にも御協力いただいて、例えば設計士補とか、あるいは土木施工管理技士だとか、そういう専門的な試験に挑戦するようなことを県としても応援して、
教育委員会も指導していただいて、かなりそれに向かっていっていただけるカリキュラムもその面でもつくっていただいています。だから中身としてはそこそこのものを中部でもやっているはずだと思うのですが、それがやはり見えにくいのかなというのはあるかもしれません。
また、普通科コースでどういうふうに挑戦するかというのは、恐らく入社した後の人材育成の問題なのかもしれませんね。こういうのは、建設技術センターというのが県内にありますけれども、そういうところを使いながら、入社後の技術者としての養成ということを視野に入れながら、もう少し高度な研修というのも一定程度用意しておく必要があるのかなということかもしれません。ちょっとまだ出口は見えにくいのですけれども、まずは関係業界の皆様などのお話も調査をさせていただきまして、教育サイドとも連携してまいりたいと思います。
◯副議長(広谷直樹君)11番川部議員
◯11番(川部洋君)すぐ答えが出る問題ではないと思っていますが、今回はありがとうございましたという答弁なのかなというふうに思っています。私の問題ではなくて、もう県の問題なので、しっかり取り組んでいっていただきたいと思いますし、これは建設業だけではない、本当、ほかの業種も全く同じ状態であります。建設業を取っかかりにしながら、どうやって産業人材を育成するのかという視点でしっかり考えていただけたらと思います。
それで、今回、ちょっと人口減少前提社会という言い方、知事はあまり気に入らないそうですけれども、人口が減っても豊かに暮らせる地域をつくるということについて、いろいろ調べている中で、政策研究大学院大学が人口減少・
少子高齢化社会における政策課題に関する研究会というのを立ち上げて、そのレポートをちょっとざっと読みました。中身についてはすごいボリュームの大きいので紹介しませんが、そこに前書きの中で福沢諭吉の言葉を紹介するというのがありました。奴雁という言葉、知事だったら御承知かもしれないですけれども、やっこに鳥のガン、奴雁という言葉を福沢諭吉が言っているということで、ガンの群れがずっといて、仲間は餌を食べている中で、1羽だけすくっと立って周りを見渡しているというふうな姿らしいです。現状を冷静に分析しながら、どうしていくのかというふうなことを警鐘を鳴らす。これは前の日銀総裁の前川春雄さんもこの言葉が座右の銘だったというふうなことで言われていました。この4年間も、知事、コロナ対応も含めて、本当こういう奴雁という感じで取り組まれてきたと思います。私もその奴雁の一人でありたいなと思いながら、今回のこの人口減少について向かっていきたいなというふうに考えておりまして、しっかりこの問題に向けて頑張っていけるよう、私も頑張りますし、知事もよろしくお願いいたします。
◯副議長(広谷直樹君)暫時休憩いたします。2時50分より再開いたします。
午後2時39分休憩
────────────────
午後2時50分再開
◯議長(内田博長君)再開いたします。
引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
1番坂野経三郎議員
◯1番(坂野経三郎君)(登壇、拍手)会派民主の坂野です。組織体制について伺います。
組織体制については、知事の専権事項ではありますが、県民からの分かりやすさや国、市町村との施策連携の観点、そして効率性や専門性の観点からも、専門人材の活用や施策間のバランス調整の観点からも、見直しを行っていくことが必要と考えます。かつて私が質問した保健所体制の見直しは、結果として新型コロナの対応に功を奏したと考えております。県民からは、コロナに関することは保健所に連絡すればよいという分かりやすさ、安心感、現場では、保健師、薬剤師、獣医等の衛生技師が連携し、様々な感染対策や感染者へのフォローが円滑に実施されたものと思います。
国は5月8日に新型コロナを5類に見直す方針を示しましたが、また再び新型コロナが強毒性を持つのか、また新たな感染症の脅威が訪れないとも限りません。国では内閣感染症危機管理統括庁の設置も検討されていると聞いております。県として、幾度となく訪れる感染症の脅威への対応として、薬剤師、保健師、獣医等の専門人材が一丸となって取り組む必要性があるのではと感じます。
本県では、衛生環境部が平成5年度まで存在し、医療、健康、衛生への対応を一元的に取り組んできた経緯があります。令和5年度の組織改正案として、福祉保健部内に感染症対策局の設置が示されましたが、今後起こり得る感染症等への対応として、もう一歩踏み込んで、保健衛生部のような体制を講じて専門性を高めていってはどうか。改選前でお答えが難しいかもしれませんが、知事の御所見を伺います。
次に、交通安全について伺います。
交通安全を確保することは極めて大切なことであると考えております。安全確保のために交通ルールを遵守させる信号機は極めて重要であり、私自身、信号機を設置してほしいという地域住民の声を拝聴することは少なくありませんが、私も要望に沿って現場確認をさせていただくと、新規信号機設置の必要性を感じることがあります。
新規信号機設置が必要である一方で、現在設置されている信号機のメンテナンスの課題が重くのしかかっております。信号機制御機の更新目安は19年と伺っておりますが、鳥取県では更新期限を超えている制御機が多くあると伺っております。道路交通網の根幹と言える制御機の更新について、現状と課題について警察本部長にお伺いいたします。
インフラについて伺います。
信号機の老朽化対策も重要ですが、道路そのものの整備も重要だと考えます。橋などインフラ設備も更新期限を迎えているものが数多くあります。更新期限を迎えたインフラで万が一事故が発生すると、県民の命に関わる極めて重要な問題となります。老朽化したインフラをどのようにしてメンテナンスしていくのか、知事のお考えをお伺いいたします。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)坂野県議から私のほうに2つお尋ねがございました。一つは、保健衛生部のような新しい組織を考えてはどうかということでございました。もう一つは、橋梁等のインフラ、道路の整備のことでございます。
前段のほうでございますが、これについては前も御議論ございまして、大変新型コロナが猛威を振るっていた時期にどういうふうに限られた人材の中で機動性を発揮するかという点で、非常に示唆に富んだお話があり、私どもは機構改編を行ったところでございました。
これは実はちょっと今回のこの騒動で私もよくからくりが分かったところではあったのですけれども、もともとは、平成に入りまして、地域保健法というふうに保健所法が改められまして、それで生活衛生などの分野だとか健康づくりという機能が強調されたわけです。また、市町村のような基礎的自治体のほうでも保健センターをつくったりしまして、そういう時期の中で、本県は、保健衛生部というのは伝統的にあったのですけれども、生活環境部と福祉保健部という形になっていったわけであります。恐らくこれは当時は合理的な選択だったと思います。
そういう中で、平成18年に私が就任する直前のことだったのですけれども、機構改革がなされていて、これは私も実はちょうどいなかった時期でよく分からなかったのですね。正直、気がつかなかったですけれども、生活環境局というのを総合事務所の中につくったわけです。そのときに保健所の技術者、衛生技師などを、例えば保健所の一つの権限として、食中毒があったときに店のほうに場合によっては命令をかけたり、そうした一定の権限というのがあります。こういうような生活衛生のほうの保健所権限というのがあるのですが、そうした人たちを生活環境局のほうに持っていったわけですね。保健所というのは一応名前は残っていたのですけれども、大分陣容として主力部隊が抜けている格好になっていたわけです。それで、コロナが始まりまして、令和2年から本格的にやるわけでありますが、なかなか皆さん人繰りの問題があって、保健所長の下で一括して動いてくれないわけですね。片方は総合事務所長、生活環境局長、片方は保健所長というふうに分かれている中で、どうも機動性が悪いのはおかしいなと、人繰りが難しいなという中で、ちょうど坂野県議の問題提起などもあって令和3年度に保健所機能などの再編を行って、その後は大分よくなったような気がいたします。保健所長は非常に喜んでいましたね。これは言っても無駄だと思っていたことだったらしくて。どうも平成18年にいろいろなことがあったのではないでしょうか。それを一気にひっくり返すことを当時やったわけです。
それで今回は、新しい感染症対策の局をつくって、取りあえずはバーチャル的にはコロナの対策本部というのを新年度も残していこうと。それであとは実際の感染の状況を見て考えていこうということにさせていただいたわけであります。これで多分永続的に一定の機能を果たせるようになると思います。
それで、議員がおっしゃる保健衛生部を仮につくったとしますと、また前と同じことが起きるかもしれないなと今ちょっと聞いていて感じたところです。つまり実は衛生関係や保健師だとか、そうした技術者集団というのをどういうふうにいざというときに動けるようにするかということですね。それを平時から保健衛生部のほうということで仮に分けて囲った場合に、今度は生活衛生のことも含めて平時の機動力のほうに影響してしまうかもしれません。だから今のお話を伺っていて一つ出口として考えられるかなというのは、まずは感染症の対策の局をつくるなりして、専門性を高めた、今のちょうどコロナを経験した人材がいる中で今後に向けた新体制をまた議論してもらって、それで最終的には、いろいろと既存の部があるにしても、それをまたぐような形の鳥取県CDC、センター・フォー・ディジーズ・コントロールですかね、そういうアメリカのCDCのようなものを考えるのかなと。例えば今回も経験してよく分かったのですけれども、衛生環境研究所などがあります。こういうものは非常に重要な役割を果たす。それから、当然ながら保健所という存在がある。また、事業者支援ということであれば生活衛生のほうの人たちの出番もある。そうしたことをいざというときには横串でつついて、トータルの組織をつくれるように平時から準備をしておくと。これは職制としての何々部ということではないかもしれませんが、鳥取県のCDCというのをつくって、ふだんから併任をかけるとか、あるいは意識を持ってもらって例えば演習をやるとか、今、皆さん経験を積んだところなので、この経験を今後に生かしていくという観点で、今の発想のコアの部分、一番重要な部分というのを実現するのがもしかすると組織的にはいいのかなというふうに感じた次第であります。
議員もおっしゃいましたが、いずれにせよ、今、この議会で結論が出せないという宿命があり、私たちは一旦解散になりますので、また新年度、新しいメンバーで、今提案している組織体制を取りあえずスタートさせていただきまして、どういうふうにすれば永続的な感染症対策が可能になるのか、その最適解をみんなで考えていければと思っております。
インフラのことについてお話がございました。これについては、詳細は県土整備部長の蒲原のほうから申し上げたいと思いますが、平成24年だったと思いますが、中央道のトンネルの崩落事故がございました。こういうことが一つのきっかけになりまして、今、国土交通省も音頭を取りながら、5年に1回点検をして、それでいろいろと必要な対策箇所というのを見いだすようにさせていただいております。そういう中で、分類をしまして、危険度が高い、当然手を入れなければいけないというところをあぶり出しています。現状、373の場所で見つけているところでございまして、その87%ほどは着手済みのところまで来ております。残りのところも含めてさらに追い込みをかけていくということになろうかと思います。
今、令和2年度から国のほうもそうした対応を強めていまして、それでまた補助制度なども変わってきております。いわゆる国土強靱化対応の一環として、例えば河川であれば樹木伐採をするようなことと併せて、今、こうしたことも特別の対策を国も打つようになっていまして、それを活用しながらできる限り早期に対応をしていきたいと思います。
そういう中で、一つ今後のポイントとしては、壊れてから直すのではなくて、本当に壊れて機能が失われてしまう手前で予防的に直していくと、修繕をかけることでトータル寿命、長寿命化を図っていくということです。計画的に平成27年、29年と計画をつくりまして、今、動いているところでありますが、例えば八頭におきまして、橋がありますけれども、橋のコンクリートにひびが入るというのを見つけて、これを直しにかかって、今年度ですかね、それが終了するというのがあります。こういうことをやっておくと、本当に機能が悪くなった後で直しにかかるよりも全体としてはトータルコストが安くなると。こういうのは危険度という面でいうと、緊急度はそれほどは高くはないかもしれませんが、そうしたものを先回りしてやるというのも効果的であり、こうした発想の転換も進めていく必要があると考えております。
◯議長(内田博長君)蒲原県土整備部長
◯県土整備部長(蒲原潤一君)老朽化したインフラをどのようにメンテナンスしていくかにつきましての補足の御説明をさせていただきたいと思います。
知事が先ほど答弁されましたとおり、健全度、健全性が3または4と深刻に点検されたものが373施設ございまして、現在までに着手できていないものが50施設ほどございます。これらは点検のための足場が河川の断面を阻害するというようなことで、非出水期でなければ点検できないようなものですとか、それから、個々の構造物によって措置が必要な場所や損傷の程度が、やはりその軽重が違いますので、そういったことを見極める必要がありますですとか、近い将来に既存の施設を新しい橋に架け替えるなどの全体のインフラの計画の中で見直しを図られるものがあるといったようなことがございますが、これらにつきましても、先ほどの国土強靱化のための加速化対策等の事業を適用いたしまして、早期に運ぶように対応策をしていくというところを予定しているところでございます。
全体のインフラメンテナンスの進め方につきましては、先端技術を活用した維持管理の効率化を目的とした取組も進めてございまして、浜坂キャンパスに実証フィールドを設けるといったようなことを令和5年2月から開始しているところでございましたり、それから、システムにインフラのメンテナンスの点検ですとか対応状況を蓄積していきまして、そういったデータの活用を図りながら、効率よくインフラのメンテナンスを進めていくというインフラ維持管理システムの開発ですとか、運用の開始をしておるところでございます。
◯議長(内田博長君)半田警察本部長
◯警察本部長(半田新一朗君)坂野議員から信号制御機の更新の現状と課題についてお尋ねがございましたので、お答えを申し上げます。
信号制御機の現状でございますけれども、議員御指摘のとおりで、信号制御機の更新基準はおおむね19年とされております。県警察における令和3年度末の信号制御機の保有基数は1,299基、うち152基の11.7%の信号制御機が令和4年度中に製造後19年の更新基準を超える見込みでございます。このうちの75基につきましては、更新のめどがついているところでございまして、残りの77基につきましても、毎年保守委託業者による保守点検を受け、その都度、性能に異常がないことを確認しているところでございます。
このような整備後長期間が経過した信号制御機の老朽化対策は全国的な課題となっております。
県警察では、現存する信号制御機の維持管理、更新を着実に実施するために、平成28年4月に信号制御機更新計画を策定いたしまして、計画策定時から20年後の令和17年度末には製造後19年以上の制御機をゼロにするということで、年72.5基を超えるよう更新の予算要求を行っておりまして、令和5年度につきましても75基、更新を予定しておるところでございます。
信号制御機の更新は、信号機が現存する限り継続していくものでございます。今後ともインフラ機能の維持、確保に向けまして、適切なメンテナンスサイクルを構築し、更新の平準化を図ってまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)1番坂野議員
◯1番(坂野経三郎君)鳥取県版のCDC創設という新たな発想も伺えたところでございますので、これについては改選後の新たな展開に期待をさせていただきたいというふうに思っております。
今日、あと、組織体制について、2点ほど追及してお尋ねをしたいというふうに思っておりますが、今回、この組織については、分かりやすさということをテーマに私は質問をさせていただきたいというふうに思っております。
その上で、まず、人権局の組織体制について追及して伺いたいというふうに思うのですね。
人権局は、結論から申し上げますと、人権局の下に相談体制を集約して、そして人権局を中心とした人権施策をしっかりと展開していただきたいということがまず結論です。
なぜそう思うに至ったかと申しますと、平成8年7月に鳥取県では全国に先駆けて人権尊重の社会づくり条例が制定をされ、人権先進県としての取組は大いに評価されているというふうに思うのですね。そして、その条例が制定されたときに、この議場で賛成されていたのが当時1期生の福間裕隆県議でございました。合っていますよね。合っているはずなのですけれども、この議員の中では福間県議だけが間違いなくその場にいらっしゃったというふうに私は認識をしておりますが、ただ、全国的に先駆けてつくられた条例にあぐらをかくことなく、社会情勢の変革に合わせて内容も幅広く展開をされてきました。当時8分野だった項目も現在では12分野まで広がっているわけです。
ここで私が伺いたいのは、条例の中身は拡充してきた。では、人権局の体制が拡充したのかということを私は問いたいのです。どういうことかといいますと、例えばその12分野のうち、部落差別をはじめとするあらゆる差別を根絶するのだ、あるいは北朝鮮による拉致被害者を早期解決するのだと、この施策は総務部人権局人権同和対策課で行われているというふうに承知をしております。では、その他の分野はどうか。例えば性別、これに関して言えば、人権局ではなくて、令和新時代創造本部女性活躍推進課、男女共同参画センターが担っているというふうに思います。あるいは人種、国籍、民族についてはどうかといえば、これもまた人権局ではなくて、観光交流局交流推進課が担当されていると承知をしております。さらには、年齢のこともそうです。子供あるいは児童虐待やDVの課題、これは子育て・人財局の家庭支援課が担っておられる。さらには、犯罪被害者支援についてもくらしの安心局くらしの安心推進課が担っておられると、こういうふうに私は承知をしております。私は、他部局にまたがること自体は、否定するものでは毛頭ないのですね。目的もあり設置され、専門性もあり、他部局にまたがっていることは私はもちろん理解ができるのですが、ただ、しかし、条例の内容は拡充してきた。全庁を挙げて人権施策も取り組んできた。しかし、人権局の組織はどう拡充していったのですかと、人権局だけ取り残されていないですかという問題提起を私はしたいのです。
そこで知事にお尋ねをいたしますが、人権局の組織について、相談体制の中心、扇の要になるべきところは私は人権局だというふうに思っておりますし、人権局の下にしっかりとした相談体制を集約する、そういった組織体制の在り方ということが私は必要ではないかというふうに考えますが、知事の御所見を承ります。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)坂野議員から重ねて組織につきましてお尋ねがございました。詳細につきましては、人権局長のほうから実態のことも含めまして御説明をさせていただければと思います。
先ほど、すみません、確かに福間議員おられたなと、今、頭の中で計算していまして、確かに当時おられたわけでありまして、それから確かに一つ、私ども、人権対策の基軸というのはできたと思うのですね。あと重要なのは、当時、人権尊重の社会づくり審議会というのをつくりまして、ここで様々人権問題について、単に同和問題だけでなくて、それを全体に一般化させながら議論をするという一つの役所文化が生まれたことだろうと思います。議員がおっしゃったことに関連しては、その後ずっと不磨の大典で来たかというと、実はちょっと大きな断層が一つありまして、このことを申し上げて、それでどう考えるかということかなと思って伺っておりました。
それで、その後、平成16~17年ぐらいですかね、人権救済条例案という構想が出たわけです。議場でも今、何人かうなずいておられますけれども、ただ、これは全国的に、先ほど「ブリロの箱」の話がございましたが、これも話題沸騰になった一つのアイテムでありまして、県議の皆さんのところには連日ファクスが送られてきて、ファクスの紙がなくなって、それでピーピカピーピカ言っているのをどうしたらいいのだと、そういう騒ぎになるぐらい、実は全国にいろんな議論を投げかけたことになりました。その後、いろいろありまして、結局、当時の県政としては、執行停止をして、その条例を止めてしまったのですね。それをもう一度起こすのをどうしたらいいのかというのが実は平成19年以降、私が担当した後の大きな課題で、宿題が残っていた部分であります。
その際に、大分多くの人権関係の方々とかの御理解や御協力、御支援をいただいて検討を進め、それから議会でも当然、当時の最大の問題、関心事でありましたので、いろんな議論が出まして、それで結論としては、人権尊重の社会づくり条例を改正しようということをやっています。そのときに、いろんな人権問題にやはり対応できる制度をつくろうと、ただ、それを人権救済機関としてやるのではなくて、まず当面は相談を充実して、それが機能するようにして、実質上そうした救済が図れるようにしながら、国のほうで人権救済法をつくれという議論が当時は大分強く残っていまして、こちらのほうと組み合わせてやっていこうではないかと、我々のほうは人権尊重社会づくり条例を改正したわけです。これが平成21年であったと思います。
そのときに人権尊重の社会づくりネットワークという相談支援機関のネットワークをつくることをみんなで議論し始めたわけですね。これは人権局の中に相談窓口をつくりますと、それから、いろんな専門的な相談、例えば弁護士さんが絡むような相談だとか、あるいはいろんな福祉系の話だとか、いろいろあるでしょうから、そういうものをみんなつなげていくネットワークをつくり、若干謝金も払ってもいいような、そういう専門の相談というものもこのときにビルドインしたわけです。あと、現実にはケーススタディーみたいなことをやって、ケース会議を始めるのですね。これによっていろんなところにまたがったり実効性がなくなったりしないように、ケース会議で議論して、それで最終的な解決策に持っていきましょうと。例えば典型的には、最近もあった事例では、いじめの事案などがあると。これは人権局で一義的に受けても、そこで始末が完全につくわけではなくて、教育関係だとか、いろんなところを巻き込んでやっていくわけですね。このときにケース会議をやって、関係する機関でみんなで協議をしながら解決策を見つけていくというようなことをやっています。ですからイメージとしては多分、議員がおっしゃったようなほうに平成21年に大分大きく変えたということはぜひ御記憶いただきたいと思います。
その上で、それが多分うまくいっていないことも散見されるので、今日のような御質問なのかなというふうに思いますが、改善していくべきことはいろいろとあると思うのですね。現場の人権局の皆さんなども、例えば、要は縦割りになっていますから、これはあなたのところでやるべきことですよと言っても、役所の常として結構その守備範囲をわざと小さく考えたいのですね。結局どこにも受けてもらえないような狭間のものは残ってしまうことになりかねないので、そういうのはやはり間に入った最初に相談を受けた人権局などが結構大変なことになる。この辺をどうしたらいいのかなというような問題意識があったり、それから、実際は伴走型でやっていかないと最終的な解決まで行かないわけです。相談に来る前に結構いろんな事情を抱えていたりして、通り一遍のお答えでこうなっていますよという制度の説明で必ずしも納得するわけではないので、その後、何度も何度もいろんなやり取りを重ねながら少しずつ、ではこういった別の出口に行きましょうかというところになってくる。場合によっては関係機関が変わってくるということがあって、そういう伴走支援みたいなことのイメージに今なってきているのだと思うのです。この辺のやはり実務や経験に基づいたコントロールの仕方ということを、今日も御質問いただきましたので、もう一度点検をしたり改善を図っていくことから始めてはどうなのかなというふうに思います。その上で、何らかの制度改正がさらに必要かどうかというのを今後よく検討を深めてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)小林人権局長
◯人権局長(小林靖尚君)人権課題に対する相談体制につきまして、補足の御答弁を申し上げます。
県行政の人権との関わりにつきましては、幅広い分野にわたっているところでございますが、それぞれの分野ごとに専門性が必要なことに加えまして、各政策内容に対する必要性があることから、専門性を持ちながら、相談についても各部局で対応をしているところでございます。
先ほど知事からも申し上げましたが、人権局が所管する人権相談窓口は、平成21年に人権尊重の社会づくり条例に基づきまして、人権尊重の社会づくりネットワークとして、東部、中部、西部の県内3か所に総合的な人権相談窓口として設けたところでございます。この相談窓口ではあらゆる人権相談に対応しておりまして、相談に当たっては、傾聴、受容した上で、相談者への助言、それから関係機関の御紹介、関係機関と連携した相談者の支援を行っているところでございまして、その円滑な実施のために関係機関との緊密な連携の確保に努めているところでございます。必要に応じまして、支援方策を関係機関と検討するケース会議の開催、あるいは弁護士等による専門相談を行っておりまして、これらの点を強みとしているところでございます。
やはり県民の方が人権に関する問題に直面されましたときは、人権救済という観点からも、様々な施策や制度、専門的な助言や支援によって問題が早期に解決される、そして保護や自立支援等が適切に行われることが重要でございます。関係機関の相談後に人権局の人権相談窓口を訪れられる方が多いことから、県民の方が様々な支援策を円滑に活用できる相談機能の一層の充実を図っていくということが今後必要かと思っておりまして、現行の人権相談体制の下に、各部局が持っている各分野の専門性に加えて、人権局相談窓口の強みとする傾聴、受容、関係機関とのネットワークなどの点につきまして、今後、点検、検討を行ってみたいというふうに思っております。
◯議長(内田博長君)1番坂野議員
◯1番(坂野経三郎君)私がこの質問をするきっかけになったのは、実は前の議会の浜田議員の質問だったのです。私は犯罪被害者と共に歩む在り方について関心を持って、実は東京都庁まで出かけて、13階にある被害者支援連携担当課を訪ねたのですね。そこの女性課長に大変懇切丁寧にいろいろと学ばせていただきましたけれども、今日はその内容が趣旨ではありませんので、その内容には触れませんが、そこの担当課が所属していたのが人権局だったのです。そこで、私は鳥取県の人権局の在り方を見直したときに、鳥取県では被害者支援の在り方は生活環境部が所管をしていたと、ここにも違和感を持ったところではありますが、今の答弁、私、理解できましたので、重要なのは、鳥取県が全庁を挙げて権利を損なわれた方々に寄り添って、その権利を回復する過程に一緒に歩んでいくことだというふうに私は思いますので、その観点で、今後も組織の在り方について、私もしっかりと見てまいりたいと思いますし、先ほどのように部局をまたがっていても、その各部局の方は人権施策だけをやっているわけでもありませんので、その辺りをしっかりと県民の目線に、立場に立って整えていけているかどうかを今後も私も点検をさせていただけることになるか分かりませんけれども、頑張りたいというふうに思っております。
続いて、次の教育についての組織体制の在り方についての御所見を伺いたいというふうに思っております。
教育についても、結論から申し上げますと、組織については分かりやすく
教育委員会のほうで私立学校についても所管したらどうかなと思ったのがきっかけでございました。私がそう思ったきっかけも、今、鳥取県では公立学校と私立学校がきちんと連携できているのかなと思ったことがありましたが、それは杞憂でございましたけれども、その際に、もしかしたら
教育委員会で一本化したほうが、そういう心配もなく、進めていけたのかなということを私なりに思ったのがこの質問のきっかけなのです。
今、鳥取県では、
教育委員会では公立学校を所管して、知事部局では私立学校を所管している状況だと思います。これについては、まさに地方教育行政の組織及び運営に関する法律21条、22条の中でそれぞれに職務権限が与えられていることが私は今の役割分担だと認識をしております。では、地教行法の法律があるのに、
教育委員会で私立学校について所管できるのかといえば、地方自治法の180条の2によりまして、
教育委員会で補助執行という形で私立学校の業務も担うことができるというふうに認識をしております。事実、大阪府や秋田県では
教育委員会側で私立学校についても所管をしているというふうに私は認識をしております。そして、このたび私は秋田県の、秋田県教育庁の総務課の方にお話を伺いました。教育庁で私立学校を所管することでよかったことは、公立学校と私立学校の連携が非常にスムーズにいくというお話を実は伺ったのです。まさにこれは公私の分けのない教育振興基本計画に私は理念が相通ずるものがあるというふうに感じたのですね。つまり
教育委員会はそれこそ公立学校のことだけを考えて教育行政を行っているものではないとは思いますが、やはり鳥取県内の公立にいても私立にいても、県内の学生さんたちが高いレベルで教育を受けられるように、公立、私立の非常に有意義なところはお互いが連携をし合って、教育のレベルを高めていくことが私は非常に大事なことだというふうに考えております。
そのような観点を持って知事にお尋ねをいたしますが、現在のように公立、私立と担当が分かれることがあっても、決して連携が阻害されたり壁ができるようなことがあってはいけないというふうに思っておりますが、その辺りについて、知事の御所見を承ります。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)坂野議員から重ねて教育につきましてお尋ねがございました。
結論的には坂野議員がおっしゃった公立の教育と私学に大きな壁があってはならないということに賛同するものでありますし、当然ながら、例えば子供たちの育ちを促進するためのいろんな施策など、公立、私立を問わず、それぞれに適用されるような環境をつくっていかなければいけませんし、その意味で、いろんな
コミュニケーションが取れるような全体としての構成というのを考えなければいけない、このことは賛同するものでありまして、今日の御質問を基に、なお一層そうした方向性を強めていきたいというのが結論であります。
その上で、若干解説といいますか、御説明を敷衍させていただければ、それぞれの地域でいろんな工夫をしているということであります。もともと、なぜ知事部局に私学というのが全国の主流というか、原則なのかと。それを破っているところは2つありますが、それはそれぞれの事情があってですし、いろんな議論が起きています。なぜ知事部局かというと、それは
教育委員会から分けたいというやはり圧力といいますか、一つそうしたコンセプトがあるのですね。それは私学の独立ということです。それぞれに建学の理念というのをよく私学関係者はおっしゃいます。こういうことがやりたいから我々はこうした学校を始めたのですということですね。それは、公教育はもう明治の初めからありますから、それぞれの事情があって学校が始まっているという生い立ちがあるわけでありまして、それはやはり尊重しなければいけないということがあります。そういう意味で、私学に対する憲法も含めた法律の体系というのは若干間接的に公が関わる仕組みになっています。何に似ているかというと宗教です。だから宗教法人と学校法人はある程度のアナロジー、類似性があるわけですね。昔の
教育委員会の系統というのは、ちょっと昔話をして恐縮ですけれども、文科省から号令一下、みんな伝わるという仕組みをつくっているわけです。そういうところから外れた教育を私学のところで保障してあげるというのは多分大事だったと思うのですね。今でこそ教育長さんは我々が議会で選んでもらっていますけれども、ちょっと前までは国のほうの任命職だったものですから。そういうように、では一つの統制の中に私学の皆さんが喜んで入るかというと、実はそういうことではもともとないということは、これはやはり前提としなければいけないのだと思います。そういう私学の独立に我々は配慮する必要があって、それと、では子供たちが例えば学習カリキュラムを含めて、例えば今回のコロナ対策なども含めて、それぞれにやはり大切にされる仕組みというのもまた片方で考えなければいけない。これを調和を取りながら組織的にそれぞれが苦労しているということであります。
大阪府は橋下知事のときに教育庁というものをつくりまして、私学と公教育をまとめて所管をするようにしたのですが、これ、当時のメディアの議論を見ていただくとお分かりいただけますが、実は大反対が起きています。それは、公の権威の下に建学の理念のある私学というものを束ねるのかと、強権的だというような議論がやはりあります。
秋田県もやはりそこは配慮されていて、あそこも一旦は知事部局に私学系が行ったのですけれども、それをまた再度、平成14年かそこらでもう一度移して今のお会いいただいたような教育庁というものに行っています。そのときも例えば補助金行政だとか、割と私学の根っこの部分は知事部局に残した形で移しているわけですね。だからやはりそれぞれに悩みながら工夫をしているということであります。
本県はどうかということですが、本県では伝統的に、課はいろいろと移りましたけれども、私学担当課のほうに学校の先生を入れています。指導主事という方で、一定の中堅幹部の方に来ていただいて、これで結局カリキュラムのことだとか、いろんな学校の中のトラブルがあるとか、それから
教育委員会サイドと私学とのつなぎなどをやっていまして、それに加えて、ここ20年かそこらは学校の経営者と
教育委員会との協議の場というのを活発にやるようになっています。最初の頃は、それぞれ立場の違いがあって、子供の数、私学と
教育委員会のほうの高校とで何対何にするのかというような非常に原則的な、どちらかというと労使交渉的な、そういう場であったわけでありますが、だんだんと今はそこのところは外れてきまして、ある意味フランクな意見交換なり協議ができている状況だというふうにお伺いもしておりまして、私学関係者もその意味でこれまで長いこと協議をしてきたのがいい方向に向かっているなという感覚を持っておられると思います。
また、例えばそうした教育課程の話とか、あるいは部活の話だとか、そういうことにつきましても、私学と公教育とで、これも一堂に会した研修などもさせていただいたり、県のほうで例えばスタンフォード大学のカリキュラムを使ってやるような特別の英語や人間形成のプログラムがありますけれども、これも公立の高校だけでなくて、私学もちゃんと同じように入ってやれるようにしたり、あまり分け隔てをせずに物事を今動かしていこうとしています。
典型的には高校の部分ですけれども、もう一つ大きな領域は子供たちのちっちゃい部分、幼保ですね。これについては、今は、これも最近改正をしまして、こちらは
教育委員会のほうに兼務してもらって、子育て王国課のほうの職員にもなってもらって、幼稚園の指導、保育園の指導ということを共通して行ってもらっていると、これによって子供たちの発達というものを全体として一つのきちんとした目線で底上げをしていこうということをしています。
いろいろと工夫をしながら進めていかなければなりませんが、冒頭に戻りますけれども、議員がおっしゃったとおり、妙な壁を立てて公私それぞれ別だよというふうにやるのは私はナンセンスだと思いますし、そういう方向に今、運用も進んでいるのではないかと思っております。
◯議長(内田博長君)1番坂野議員
◯1番(坂野経三郎君)公と私で壁を隔ててはいけないということに強く共鳴をしたいというふうに思っております。その上で、昔は教育長が国の任命職だったというお話をされましたけれども、そういう時代、私はよく分かりませんし、その辺りのことは、私の今日の質問の趣旨の組織はシンプルに分かりやすくということでいいますと、
教育委員会の中に私学もまとめたほうがいいのではないかという思いはまだ持っておりますけれども、その辺りについて、教育長の御所見をもう1回承りたいところなのですが、今日は質問に入っておりませんので、その辺りも教育長、
教育委員会のほうでもまた考え方をぜひまとめていただければというふうに思います。
さらには、知事のほうに最初に質問をさせていただきましたけれども、インフラについてであります。インフラについては、それこそ知事、副知事のリーダーシップの下で県民の命を必ず守っていくのだと、そういう使命感を共有される、現場の職員の皆さんと思いを共有した答弁をいただいたかというふうに思って聞いておりました。
そして、県民の命を守るインフラ整備というものが一体何なのかということを考えるときに、私が思い出すのは、私が海上自衛官時代の思い出なのですね。当時、私は日本を出港して護衛艦に乗って6か月、世界を15か国ほど寄港していって、6か月後に日本に帰ってくるという経験をしたのですが、各国に行くたびに思うのが、日本で当たり前、空気のように受け入れている水と、そして安全というものが簡単に手に入る国というのは1か国もなかったということを私は思い出すのです。
安全という意味でいえば、シェルターの課題が私はあると思うのです。今、北朝鮮からのミサイル発射が連日連発している状況だというふうに思います。各国でも爆撃に備えてシェルター整備が進んでいるのですね。例えばイギリスでも約7割、アメリカでも約8割、スイスやイスラエルでは100%、ロシアでも8割がシェルターの整備を実施しております。一方で、日本がどれぐらいの整備率があるかということなのです。同じようにミサイル発射の脅威にさらされている韓国はシェルターの整備率は300%を超えているのですね。一方で、日本では僅か0.02%。連日の北朝鮮による暴挙、これに同じようにさらされる韓国では国民1人当たりに3か所のシェルターがある。一方で、日本では、例えばこの議場でシェルターに逃げ込むことができるのは僅か1人か、よくても2人。こういう状況を私は放置してはいけないと思うのです。いつまでも北朝鮮によるミサイル発射に対して遺憾の意ばかり表明しているわけにはならないという思いで私も今回質問をさせていただきました。
知事には国に対してこのシェルター整備を急ぐべきだという要望をぜひともしていただきたい、この思いをぜひ共有していただきたいというふうに思いますが、知事の御所見を承ります。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)坂野県議からシェルターにつきましてお尋ねがございました。
県議の過去の御経験から、安全というのは実は空気や水のようなものではないということ、それについて、各国の状況というのは日本と全く違うというのは誠に同感であります。韓国に行けば北朝鮮の国境がソウルのすぐ近くに迫っているわけでありますし、また、永世中立国のスイスなどは徴兵制で結構軍事も持っているわけですね。だからこそシェルターというのも義務づけられている。そういうようなことが実は国を守る上で当たり前になっているわけですね。
今、私たちはウクライナの問題や北朝鮮のミサイルにさらされるようになりまして、ここに来て急速に目覚めてきたような日本の状況があると思います。ああやってミサイルが飛んでくる、あるいはいろいろと爆撃が飛行機で、空襲でやってくるかもしれません。今、ウクライナでちょっと見えないのは、空襲は、制空権をまだウクライナが握っていると思われていまして、ロシアのほうが空軍を使っていないからですね。でも今後はどうなるか分かりません。そういう意味で、様々なそういう国民保護事態というのを真剣に考えるべきタイミングになっていると思います。今まではどこか遠い国のように思えていましたが、遠い国ではなくて、この国のことだというふうに意識を今みんなが変えつつあるところでありまして、やはり中央から始めていかないと、この国民保護というのはすぐれて国の行政の部分があるので、あとはそれに協力しながら地方が役割を位置づけられています。
実際にそうした避難施設やシェルターというのは、私どものほうでも五百数十か所、避難施設を国民保護施設として県のほうで指定していますし、それから、270ぐらいだったと思いますが、やはりそうした中で堅固な駆け込めるところというのは指定もしています。議員がおっしゃる特にミサイルが飛んできたとか核の問題とかがあって地下に逃げ込む。それについては、県内では今、それと認めるのは県庁の地下の駐車場と米子の駅前の駐車場のところですね。失礼。あともう一つ、鳥取の駅前の地下道ですね。3か所あります。これを順次手続も進めながら今やっているということでありまして、やはりちょっとなかなかもどかしいところがあります。鳥取県の場合、そうしたところがあまりないという状況もあるのですね。確かに韓国は、300%というお話もありますが、あれは多分地下鉄が全部入っていまして、日本の地下鉄も結構今は深いものがあって、大江戸線だとか、東京のほうでもありますし、ですから恐らく指定しようと思ったら多分同じことができると思うのですが、手続が進んでいないということではないかなという気がいたします。
政府のほうは政府のほうで、国会でもこの議論はなされていて、今、政府の岸田総理が表明されているのは、まずは南西諸島のほうで、沖縄のほうでそういうシェルター施設を造るのだというお話があったり、それから、最近は自衛隊の基地なども地下化すると、こういうことに真剣に取り組み始めています。今はまだそういう段階なのだろうと思うのですが、それはそれでぜひやはり早期に進めていただく必要があって、このことは我々現場として政府のほうにはきちんと要請をしていかなければいけないのではないかと思います。
あわせて、これはちょっとまた新年度に落ち着いて議論すべきことかなと思うのですが、今日の議論を通して、では身の回りでできることはないかなというのをやはりもう一度考えてもいいのではないかと思います。だから国のほうがリジッドな法律の手続をつくっていますけれども、今ミサイルが飛んできたら逃げます。みんな逃げると思います。そのときにあそこに逃げようと思いつくところというのはやはり考えておいてもいいのではないかなということですね。例えばこの近くでも県立博物館がありますが、あそこは地下に結構大きな収蔵スペースだとか、いろんなものがあるわけですね。今、例えばウクライナでもよく皆さん逃げて、学校の地下室だとか、そういうところに入り込んでいますよね。あれに当たるものは結構身近にもあるかもしれないと。確かに難しいことを言えば、日本人はすぐ難しいことを言いますので、強度がどうだとか、これだけの例えば核のミサイルが飛んできたらそれで守れるかとか、そういうことはあるとは思うのですけれども、ただ、そういうことを言っていたら避難するところがみんな見えなくなってしまいますので、取りあえず逃げられるところというのは身の回りでも例えば支え愛マップだとか、あるいは市町村のそうした情報提供などで、これは万全ではないかもしれませんけれども、今々来たらこういうことも考えましょうということはもっと議論されてもいいのではないかなと思うのですね。幸い鳥取県は地方部なので、昔の防空ごうだとかも残っていたりします。現に私の知事公舎のところも1つあるのです。それは強度はもたないかもしれませんけれども、今飛んできたら取りあえずそこに逃げてみようかという知恵はあってもいいと思うのですよね。それで確かに崩れてしまったということはあるかもしれませんが、戦争ですから、そういうことばかりも言っていられないはずなのだろうと思うのです。ですからもう少し普通の例えば耐震性がどうだとか、そういう問題ではない、もうちょっとレベルを下げた、取りあえず逃げるということも考えてもいいのではないかなと思います。
そういうことの一つの延長として大切なのは、恐らく国民保護の訓練をもっとやることにしたほうがいいかなというのが実感としてあります。例えばミサイルのちょっと何か不思議なサイレンの音、あまり聞き慣れないサイレンの音が鳴ったら、例えば窓から離れたところにいましょうとか、ごく基本的なこと、あるいは何かそうしたことがあったら周りに隠れるものがなくても姿勢を低くしておきましょうと、少なくとも頭を守るということを考えましょうとか、そういうようなことというのはもっと知識として私たちは共有すべきなのではないかなと思います。シェルターのことも含めて、そうした国民保護にいま一つ我々はランクを上げた意識づけをしていったり、身の回りの資源をもう一度再精査することも必要なのではないかと思います。
議員の言うような大きなお話になりますと、これはやはり国のほうでもやっていただかなければいけないことなので、そうした意味で、政府のほうへの働きかけも考えていくべきだと考えております。
◯議長(内田博長君)1番坂野議員
◯1番(坂野経三郎君)政府のほうに働きかけるという私と思いを100%共有する御答弁に加えて、県内にも目を向けて、どういった対策ができるのかという丁寧な御答弁をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
ただ、1点、私の発言を引いて最初に、安全は空気と水のように当たり前に手に入らないというふうにおっしゃったと思うのですが、私が申し上げたのは、水も当たり前に手に入らない。日本では蛇口をひねれば水が飲めるけれども、15か国で蛇口をひねって飲めるところはありませんでしたし、とりわけインドを出港した後は、みんな気をつけていたのに、恐らくパーティーで出された飲物の氷にあたったのだと思うのですが、出港後に半数以上の乗組員がダウンして、訓練にならなかったということもありますから、水も安全には手に入らないということは御理解ください。
それでは、本部長にお尋ねしますが、ちょっと時間も限られてきましたので、要点だけお尋ねをしたいというふうに思います。
先日、信号機のない横断歩道で信号機をつけてほしいという要望をいただいたのです。そのときに私が思い出したのは、私が短い期間でありますが滞在したイギリス・ロンドンでの記憶なのですね。ロンドンでは、信号機のない横断歩道で歩行者が待っていたときに、止まらない車はなかったのです。しかも止まった後に歩行者が運転手に向けて申し訳なさそうに頭を下げて小走りで走るようなこともない。あたかも青信号になって堂々と歩いていくという姿しか私は見ていないのです。そして、私がつけてほしいという電話を受けたときに、そのイギリスでの経験を思い出せば、それは必要ないだろうというふうに思ったのですが、私も政治家としてかかりつけ医になりたいという思いを最近非常に持ってきまして、すぐに実は一緒に現場に駆けつけました。今日はその方も傍聴に来てくださっておりますが、町内会長や傍聴に今来てくださっている方を含めて5人ぐらいでその横断歩道の前で現場を見せていただいたのですね。私たちが横断歩道の前でしゃべっていましたから、横断する意思がないというふうに思ってドライバーはそういう走行をしたのかもしれませんけれども、約20分、寒い中、その場に立っていて、恐らく100台以上の車が我々の目の前を通過していったのですね。これはまさに横断歩道で歩行者が止まっていて、それを車が通行した場合は、赤信号を無視したのと同じ罰則があったように私は記憶をしておりますが、そういう違反者が我々の目の前で20分間で100台以上、しかも交通事故が起きればひとたまりもないようなスピードで走り去っていきました。その20分間で止まった車は2台だけ。1台はタクシー。もう1台が運送業者の車でありました。
そのような状況でありまして、これは非常に私は懸念を覚えたわけでありますが、同様の質問を伊藤会長がこの会派の民主の代表質問でもされておられましたが、改めて本部長にお伺いをしたいのは、信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているとき、車は停止しなければならないということを車を運転する人は熟知すべきだと考えますが、どのように周知徹底しようとされているのか、警察本部長にお伺いします。
◯議長(内田博長君)半田警察本部長
◯警察本部長(半田新一朗君)坂野議員から横断歩道におけます歩行者優先の趣旨徹底についてお尋ねがございましたので、お答えを申し上げます。
道路交通法の第38条でございます。運転手のルールとして、信号機の有無にかかわらず、横断歩道に近づいたときには横断しようとする歩行者がいないか、これが明らかな場合のほかはその手前で停止できるような速度で進行しなければならず、歩行者が横断しようとしているというときには、直前で一時停止をして、通行を妨げてはならないと、こういうふうになっております。
令和4年中に県内で車両と歩行者との事故が78件発生しておりまして、45件が道路横断中の事故、32件が横断歩道上、9件は信号機のない横断歩道ということになっております。このように道路横断中の事故の約7割が横断歩道で発生しているという状況を踏まえますと、道路を利用される県民一人一人が横断歩道は歩行者を優先すべき場所であるということを認識して、交通ルールを遵守するということが重要であるということは間違いございません。
県警察で運転者に対しまして、横断歩道における歩行者優先の義務につきまして、安全運転管理者に対する法定講習ですとか、運転免許の更新時講習、その他職域における交通安全教育といった様々な場におきまして、分かりやすく説明をするほかに、街頭における広報啓発活動、県警ホームページ、テレビ、ラジオなどを通じた広報啓発により周知を図っております。
また、各期の交通安全運動期間中や4月の新入学の児童が横断歩道を渡るといった時期を中心に、横断歩行者等妨害等違反と先ほど議員がおっしゃったように、横断歩道を妨害する運転者に対します交通指導の取締りを推進しているというところでございます。
運転者はこのようになっておりますけれども、一方、歩行者に対しましては、道路を横断するときには横断歩道を渡るということが基本的なルールでありますよということ、それから、手を挙げて運転者に対して横断する意思を明確に伝えるということ、こういったことを交通安全教育や街頭での指導啓発により周知を図っているところでございます。
これにつきまして、鳥取県のYou Tube、とっとり動画チャンネル、ここに智頭警察署が作成いたしました「えがおでわたろう」という保育園の児童による横断歩道の渡り方の動画を掲載しているところでございます。かわいらしい保育園の子供たちが一生懸命演じてくださっていますので、お時間ございましたら、「えがおでわたろう」、これで検索していただきまして、御覧いただけると幸いでございます。
こういった広報啓発活動も含めて、様々県警察といたしまして、引き続き関係機関・団体と連携しながら、運転者と歩行者と双方のあらゆる年齢層に対しまして、広報啓発活動と横断歩行者の妨害違反の取締り、こういったことを通じまして、交通事故の防止に一生懸命努めてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。
◯議長(内田博長君)1番坂野議員
◯1番(坂野経三郎君)丁寧な御答弁ありがとうございました。帰宅したら早速You Tubeを拝見したいなというふうに思いました。
実は伊藤会長が質問された1年前に、森議員も同じような趣旨の質問をされております。私は本当に大きな宿題を残されたなというふうに思っておりますが、森議員は、子供たちに対してどういうふうにこれを教えていくのかと、こういう趣旨で御質問されたと記憶をしております。教育長もそれにお答えになって、しっかりと手を挙げてというような趣旨の御答弁をされ、教育していくと、こういうお話がありました。
実は私たちが20分間その横断歩道の前で立っていたときに、あれは小学校低学年ぐらいの女の子だったと思うのですが、自転車にまたがってその横断歩道の前で止まった。ヘルメットをかぶって、ハンドルを握って、爪先立ちで不安定な自転車と体を支えてその横断歩道を渡るために待っていた。こういう場面に出くわしたのです。しかし、一向に車が止まってくれず、その女の子もハンドルを握り締めたまま、残念ながら別の信号機のある横断歩道に向かって走っていったのですね。その光景を見て、私は本当に情けなかったのです。それは何かといえば、その教育長の思いがしっかりと子供たちまで伝わっていなかったということではなくて、そのときに一番そばにいた私が身を挺して車を止められなかった。女の子に身を挺して、手を挙げて、渡る意思を示して車を止めることができなかった。あるいはその女の子に、こういうときは手を挙げて通行の意思を示すのだよということを教えてあげられなかった私自身に本当に情けない思いで今いっぱいなのです。私は、子供たちの未来のためにということでこれまで取り組んできたわけでありますが、これからも今のこの日本の状況がロンドンのようにしっかりと止まって横断していけるような状況になるまでは、まだまだもしかしたら時間がかかるかもしれませんが、一歩一歩このハチドリの滴の志を私は引き継いで、しっかりとこの課題を解決するためにこれからも頑張っていく覚悟でありますので、これからも私も真摯に向き合って頑張っていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いしますと申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
◯議長(内田博長君)以上で、本日の一般質問並びに議案に対する質疑は終了いたしました。
本日、知事から、追加議案4件が提出されました。
お諮りいたします。この際、これらを本日の議事日程に追加することに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議はないものと認め、さよう決定いたします。
それでは、議案第80号「鳥取県税条例の一部を改正する条例」から第83号「鳥取県男女共同参画推進員の任命について」までを一括して議題といたします。
知事に、提案理由の説明を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)これより本議会に追加提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
まず、議案第80号、鳥取県税条例の一部改正につきましては、地方税法改正に伴う自動車の環境性能割・種別割特例に係る改正等を行うとともに、本県独自に障害者多数雇用事業所に対する不動産取得税の減額を行うこととするものであります。
次に、議案第81号から第83号、鳥取県男女共同参画推進員の任命につきましては、江原剛委員、谷本恵美委員、中尾和則委員の任期が来る3月31日をもって満了しますので、企業経営や人権尊重など男女共同参画に関する卓越した御識見を引き続き推進員として生かしていただくため、再任しようとするものであります。
以上、今回提案いたしました付議案につきまして御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
◯議長(内田博長君)以上で、提案理由の説明は終わりました。
お諮りいたします。議案第81号から第83号までは、委員会付託等を省略することに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議はないものと認め、さよう決定いたします。
本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後4時01分散会
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